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東北大学 2024年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

以下の問いに答えよ。

(1) tをt>1を満たす実数とする。正の実数xが2つの条件

(a) x>1t−1

(b) x≧2log⁡tx

をともに満たすとする。このとき,不等式x+1>2log⁡t(x+1)を示せ。

(2) n≦2log⁡2nを満たす正の整数nをすべて求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安16分

指数・対数、方程式・不等式 不等式評価、数学的帰納法、特殊化

方針

(1) は示したい差(x+1)−2log⁡t(x+1)を,条件(b)で下から押さえられるx−2log⁡txと,条件(a)から正になる1−2log⁡t(1+1/x)に分ける。条件(a)は逆数をとって1+1/x<tへ変形するのが決め手である。(2)は小さいnを直接判定し,n=5で不成立を確認した後,(1)をt=2で用いて「ある整数で不成立なら次も不成立」をn≧5に伝播させる。

解答

(1)
示したい不等式の左辺との差を考える。対数の性質より log⁡t(x+1)=log⁡tx+log⁡t(1+1x) であるから,(x+1)−2log⁡t(x+1)=x+1−2log⁡tx−2log⁡t(1+1x)=(x−2log⁡tx)+{1−2log⁡t(1+1x)}である。

条件(b)より x−2log⁡tx≧0 である。次に条件(a)を使う。x>0なので,x>1t−1 から,両辺の逆数をとって 1x<t−1 である。よって 1+1x<t となる。t>1なので,底tの対数は増加関数であり,log⁡t(1+1x)<log⁡tt=12 を得る。したがって 1−2log⁡t(1+1x)>0 である。

以上より (x+1)−2log⁡t(x+1)>0 となるから,x+1>2log⁡t(x+1) が示された。

(2)
まず小さい正の整数を調べる。 1≦2log⁡21=0 は成り立たない。 2=2log⁡22,3<2log⁡23,4=2log⁡24 であるから,n=2,3,4は条件を満たす。

次にn≧5では条件を満たさないことを示す。まず 2log⁡25<5 を確認する。これは log⁡25<52 すなわち 5<25/2=42 と同値であり,25<32より正しい。したがってn=5は不成立である。

ここで,ある正の実数xについて x>2log⁡2x かつ x>12−1=2+1 が成り立つなら,(1)をt=2に適用できる。条件(b)はx≧2log⁡2xとして満たされ,条件(a)も満たされるので,x+1>2log⁡2(x+1) が従う。

n=5では5>2log⁡25であり,また5>2+1である。よって上の議論をx=5,6,7,…に順に用いると,すべてのn≧5について n>2log⁡2n となる。したがって,条件n≦2log⁡2nを満たす正の整数は 2,3,4 である。

別解

別解(対数を指数不等式へ戻す)

方針

(1) は条件(b)に1を加えて log⁡t(tx2) を作り、条件(a)から tx2>(x+1)2 を示す。(2)は n≦2log⁡2n を 2n≦n2 に直し、n=5以降では逆向きの不等式を帰納的に示す。

解答

(1) 条件(b)からx+1≧2log⁡tx+1=log⁡tx2+log⁡tt=log⁡t(tx2).一方、条件(a)を変形するとx(t−1)>1⟺t x>x+1.両辺は正なので2乗して tx2>(x+1)2 を得る。t>1 だから log⁡t は増加関数であり、log⁡t(tx2)>log⁡t(x+1)2=2log⁡t(x+1).以上をつなげれば x+1>2log⁡t(x+1) である。

(2) 条件はn≦2log⁡2n⟺2n≦n2と同値である。n=1,2,3,4,5 を調べると、成立するのは 2,3,4 である。

n≧5 では 2n>n2 を帰納法で示す。n=5 では 32>25 である。2n>n2 と仮定すると、n≧5 より2n2−(n+1)2=n2−2n−1>0だから2n+1=2⋅2n>2n2>(n+1)2.よってすべての n≧5 で不成立であり、求める整数は 2,3,4 である。

総評

【公式出題意図・講評との対応】 対数関数の理解と、やや見通しにくい条件を証明へ正しく組み込む力を問う問題である。公式講評では、(1)を増減表で処理して証明に失敗した答案、(2)で帰納法の使い方を誤った答案、整数を拾い切れない答案が指摘されている。本解説は条件(a)(b)の役割を別々に可視化し、帰納の開始点と推移を明示した。

難度5、計算量4、想定時間16分。標準解は対数差の分解、別解は tx2>(x+1)2 と 2n>n2 への変換であり、同じ結論を異なる見通しから確認できる。

【独立検算】 n=1 から 8 までを直接比較し、成立が 2,3,4 のみであること、n=5 からの帰納不等式が厳密に閉じることを確認した。

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出典: 東北大学 令和6年度一般選抜(前期日程)数学(公式出題意図・講評照合)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。