方針
共有点を x=x0 とおき,値の一致 nlogx0=ax0n と微分係数の一致 n/x0=anx0n−1 を連立する。微分係数の一致から ax0n=1,したがって nlogx0=1 となる。面積は,f(x)=nlogx が x=1 で x 軸と交わり,g(x)=xn/e は [0,e1/n] で正であることを使って,[0,1] では g と x 軸,[1,e1/n] では g−f を積分する。極限は t=1/n と置いて ((et−1)/t−1)/(1+t) の形に直す。
解答
(1)
共有点の x 座標を x0 とする。f(x)=nlogx であるから x0>0 である。2つの曲線が共有点をもち,その点で接線が一致するので,値と微分係数がともに等しい。すなわち nlogx0=ax0n かつ x0n=anx0n−1 である。後者は n>0,x0>0 より 1=ax0n と同値である。これを値の一致の式に代入すると nlogx0=1 である。したがって logx0=n1 より x0=e1/n である。さらに ax0n=1 だから a=x0n1=e1 である。よって a=e1 である。
(2)
(1)より g(x)=e1xn である。また f(1)=nlog1=0 であり,2曲線の接点は x=e1/n である。例えば n=2 のときの位置関係は次のようになる。
図の左側では x 軸と g、右側では g と f の差を積分する。0<x<1 では f(x)<0,g(x)>0 なので,x 軸と2曲線で囲まれる部分のうち左側は g(x) と x 軸で囲まれる。1<x<e1/n では g(x)≧f(x) となり,右側の部分は g(x)−f(x) で表される。したがって Sn=∫01g(x)dx+∫1e1/n{g(x)−f(x)}dx である。つまり Sn=∫0e1/ne1xndx−∫1e1/nnlogxdx である。
まず∫0e1/ne1xndx=e1[n+1xn+1]0e1/n=e1⋅n+1e(n+1)/n=n+1e1/nである。次に ∫nlogxdx=n(xlogx−x) だから∫1e1/nnlogxdx=n[xlogx−x]1e1/n=n(e1/n⋅n1−e1/n+1)=n−(n−1)e1/nである。したがってSn=n+1e1/n−{n−(n−1)e1/n}=n+1n2e1/n−n=n+1n(ne1/n−n−1)である。
(3) t=n1 とおくと,n→∞ のとき t→+0 である。(2) の式を t で表すと Sn=1+t1(tet−1−1) である。指数関数の微分係数の定義より t→0limtet−1=1 であるから n→∞limSn=1+01(1−1)=0 である。
総評
難度6、計算量6、想定時間22分。公式の出題意図は、接線の一致・面積・極限という数学IIIの基本事項を同じ設定で正確に処理することにある。接線が一致する条件は値と微分係数の2式に分ける。面積は x=1 で境界が変わるため、[0,1] の g と x 軸、[1,e1/n] の g−f に分ける。(3) は無限大と0の積を直観で処理せず、t=1/n と置いて指数関数の微係数 (et−1)/t→1 へ帰着させる。
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出典: 東北大学 令和7年度一般選抜(前期日程)理系数学(公式問題・出題意図・講評)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。