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東京大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

行列A=(121201),B=(101212)を考える。xy 平面上の点 P0=(1,1) から始め、点列 P0,P1,P2, を次の手続きで定める。Pn=(xn,yn) とする。

(イ) xn+yn1100 のときは、(xn+1yn+1)=A(xnyn)または(xn+1yn+1)=B(xnyn)のいずれかを選ぶ。

(ロ) xn+yn<1100 のときは、(xn+1yn+1)=A(xnyn)とする。

(1) P2 として可能な点をすべて求め、図示せよ。

(2) xn+ynn で表せ。

(3) P10 として可能な点は何個あるか。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安28

行列数列場合の数 漸化式の変形数え上げ必要十分条件

方針

sn=xn+yn に注目すると、行列 A,B のどちらを使っても sn+1=12sn になる。(1)は2回分を直接列挙する。(3)は sn がしきい値以上である間だけ2択があり、n=0 から 7 までの8回が自由であることを確認する。さらに、各選択列が異なる点を与えることを x 座標の二進的な変化量で示す。

解答

(1) A(11)=(01),B(11)=(10).さらにA(01)=(1/21),B(01)=(01/2),A(10)=(1/20),B(10)=(11/2).したがってP2=(12,1), (0,12), (12,0), (1,12)の4点である。

(2)
sn=xn+yn とおく。A,B のどちらを選んでも、成分を加えるとsn+1=12sn.s0=2 だからxn+yn=sn=21n.(3)s7=1641100,s8=1128<1100.よって n=0,1,,7 の8回だけ A,B を自由に選べ、以後は A に決まる。

時刻 nA を選ぶとxn+1=xnsn2=xn2n,B を選ぶと xn+1=xn である。したがって P8x 座標は1nE2n(E{0,1,,7})と表される。有限二進表示の一意性により、256個の部分集合はすべて異なる x 座標を与える。最後の2回に使う A は行列式が 1/2 で、異なる点を異なる点へ移す。ゆえに256である。

別解

解法2(和と差の座標)

方針

sn=xn+yndn=xnyn を用いる。和は毎回半減し、自由選択期間には差が符号付き二進数として変化する。異なる符号列が異なる差を与えることから個数を示す。

解答

(1)
直接計算によりP2=(12,1), (0,12), (12,0), (1,12).(2)
sn=xn+yn とおけば、どちらの操作でもsn+1=12sn.よってsn=21n.(3)
dn=xnyn とおく。A を選ぶとdn+1=dnsn2,B を選ぶとdn+1=dn+sn2.sn/2=2nd0=0 だから、自由な8回の後にはd8=n=07εn2n,εn{1,1}.二つの符号列が初めて異なる最大の重みを 2k とする。その項による差は 21k であり、それより後の項による差の絶対値の総和は 21k26 未満である。したがって相殺は起こらず、256個の符号列はすべて異なる d8 を与える。

s8 は共通なので P8 も256個である。以後の2回の A は1対1の変換だからP10 は 256である。

総評

難度6、計算量5、目安28分。和 xn+yn はどちらの操作でも半減し、自由選択は8回だけである。単に 28 とせず、有限二進表示または差の符号付き二進表示により、異なる選択列が異なる点を与えることまで示した。

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出典: 東京大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。