方針
標準基底の像を2本の列ベクトルとみる。直角二等辺三角形まで相似に移ることから、2本は等しい長さで直交する。向きを保つ型と反転する型に分け、指定された1点の像を代入する。最後に、得た行列がすべての長さを2倍することを確かめ、十分性も閉じる。
解答
(1)
行列 の2本の列ベクトルをとする。原点、、 を頂点とする三角形は直角二等辺三角形である。条件 (1) より、その像も相似であるからとなる。したがって、ある実数 を用いてと書ける。
(2)
第1の型では、条件 (2) からであり、これを解いて 、 を得る。第2の型ではであり、、 を得る。
よってである。どちらについても任意のベクトル に対してとなるので、任意の三角形を相似な三角形へ移す。指定された点の像も上の連立式で確認済みであり、2つとも条件を満たす。
第1の行列は「 回転して2倍」、第2の行列は「 軸対称にして2倍」
別解
解法2(複素数による分類)
方針
点 を複素数 とみる。平面上のすべての図形の相似を保つ実一次変換は、向きを保つ と、向きを反転する の2型である。指定された点の像から 、 を直接求める。
解答
(1)
点 を と表す。条件 (1) を満たす一次変換は、向きを保つ場合であり、向きを反転する場合である。実際、どちらもすべての長さを一定倍し、角の大きさを保つ。逆に、標準基底の像が等長かつ直交するので、この2型以外はない。
(2)
条件 (2) はである。向きを保つ場合はとなる。 だから向きを反転する場合はである。 だからしたがって、求める行列はこの2つである。
総評
相似を保つ一次変換を、等長・直交する2本の列ベクトルへ翻訳できるかを問う。目安時間は20分。向きを保つ回転拡大型だけでなく、反転拡大型も残すことが最大の注意点である。列ベクトルによる解法と複素数による解法を照合し、2行列はいずれも倍率2、指定点の像も一致することを確認した。