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東京大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

xy平面において,直線x=0Lとし,曲線y=logxCとする.
さらに,L上,またはC上,またはLCとの間にはさまれた部分にある点全体の集合をAとする.
Aに含まれ,直線Lに接し,かつ曲線Cと点(t,logt) (0<t)において共通の接線をもつ円の中心をPtとする.

Ptx座標,y座標をtの関数としてx=f(t)y=g(t)と表したとき,
次の極限値はどのような数となるか.

i) limt0f(t)g(t)

ii) limt+f(t)g(t)

難易度5/ 10計算量5/ 10目安23

微分指数・対数 接線・法線極限計算、はさみうち

方針

円が直線 x=0 に接するので、中心を Pt=(r,s)、半径を r と置く。曲線 y=logx との接点 Q=(t,logt) では、中心が法線上にあることと、PQ=r であることを使う。そこから f(t),g(t) を明示し、t0t+ で主要項を比較する。

解答

円の中心を Pt=(r,s) とおく。円は直線 x=0 に接し、集合 A の中にあるので、半径は中心の x 座標である r である。

接点を Q=(t,logt) とする。曲線 y=logxQ における接線の傾きは 1t であるから、法線の傾きは t である。中心 Pt はこの法線上にあるので slogt=t(rt) すなわち s=tr+t2+logt である。

また Q から中心までの距離は半径 r に等しい。したがって (tr)2+{slogt}2=r2 である。上の式から slogt=t(rt) なので (tr)2+t2(tr)2=r2 となる。集合 A は曲線 y=logx の上側なので、接点で円の中心は接線の上側、すなわち法線ベクトル (1/t,1) の向きにある。したがって中心は接点より左にあり 0<r<t である。このため、(tr)1+t2=r である。これを解くと r=t1+t21+1+t2 である。

また tr=t1+1+t2 だから s=logt+t(tr)=logt+t21+1+t2 である。よってf(t)=t1+t21+1+t2,g(t)=logt+t21+1+t2である。

i) t0 のとき f(t)0 であり、g(t)=logt+t21+1+t2 である。したがって limt0f(t)g(t)=0 である。

ii) t+ のとき f(t)t=1+t21+1+t21 である。また1tt21+1+t2=t1+1+t21であり、logtt0 である。したがって g(t)t1 となる。よって limt+f(t)g(t)=1 である。

x=0 への半径と、logx の法線上の半径を同時に使う

別解

解法2

方針

中心を (r,s)、半径を r とした円の方程式へ、
接点 (t,logt) を代入する。さらに円を暗黙に微分して、
その点での傾きが 1/t である条件を加える。法線を先に
持ち出さず、2本の代数方程式から中心を決める。

解答

円は x=0 に接しているから、中心を (r,s) とすれば
半径は r>0 であり、円の方程式は(xr)2+(ys)2=r2である。接点 Q=(t,logt) を代入すると(tr)2+(logts)2=r2.(1)円の方程式を暗黙に微分するとy=xrys.Qy=logx と共通接線をもち、その傾きは
1/t だから1t=trlogts,s=logt+t(tr).(2)(2)を(1)へ代入すると(tr)2(1+t2)=r2.円が x=0 と曲線の間にあるため 0<r<t である。よって(tr)1+t2=rであり、f(t)=r=t1+t21+1+t2.また(2)からg(t)=s=logt+t21+1+t2.t0+ では f(t)0g(t) だからlimt0+f(t)g(t)=0.また t+ ではf(t)t1,g(t)t=logtt+t1+1+t21.したがってlimt+f(t)g(t)=1.

総評

接円条件を法線と距離で処理する問題。目安時間は23分。直線 x=0 への接触から半径が中心の x 座標 r になること、曲線との接点では中心が法線上にあることが要点である。極限では、g(t) に含まれる logt と代数的な項のどちらが支配的かを分けて見る。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

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出典: 東京大学 1984年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。