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東京大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

長軸,短軸の長さがそれぞれ4,2である楕円に囲まれた領域をAとし,
この楕円の短軸の方向に,
A12(62)だけ平行移動してできる領域をBとする.
このときABの共通部分C=ABの面積Mを求めよ.
ただし14(6+2)=cosπ12である.

注:方程式x2a2+y2b2=1 (a>0,b>0)で表される楕円において,
2a2bの内大きい方を長軸の長さといい,他方を短軸の長さという.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安15

図形と方程式積分 座標設定面積計算三角比の利用

方針

長軸方向だけを半分に縮め、二つの楕円を中心間距離 d の二つの単位円へ変える。共通部分を二つの合同な弓形に分け、扇形から二等辺三角形を引いて求め、最後に面積倍率を戻す。

解答

楕円をx24+y21とし、短軸方向の移動距離をd=622とする。X=x/2,Y=y とおけば二つの楕円は二つの単位円になり、元の面積は新しい座標での面積の2倍である。

二円の中心と交点を結ぶ半径のなす角を θ とするとcosθ=d2=624=sinπ12,したがって θ=5π/12 である。単位円の共通部分の面積 L は二つの弓形の和だからL=2(θ12sin2θ).ここで sin2θ=sin(5π/6)=1/2 よりL=5π612.面積倍率を戻すとM=2L=5π31.

別解

解法2(円弧を積分する)

方針

同じ単位円への変換後、共通部分を中心線の中点で上下に分ける。上半分では原点中心の円の横幅が狭いので、その半幅 1Y2 を積分し、三角置換で値を求める。

解答

X=x/2,Y=y により、中心 (0,0)(0,d) をもつ二つの単位円へ直す。共通部分は直線 Y=d/2 に関して対称であり、Yd/2 では原点中心の円の方が横幅を制限する。したがってその面積 LL=4d/211Y2dY.ここでd2=sinπ12である。Y=sint とおけば、積分範囲は π/12tπ/2 となるからL=4π/12π/2cos2tdt=[2t+sin2t]π/12π/2=π(π6+12)=5π612.元の楕円では面積が2倍になるのでM=5π31である。

総評

難易度5、計算量5。目安時間は15分である。楕円を円へ移す変換は長軸方向だけを縮めるため、面積倍率2を最後に戻す。d/2cos(π/12) ではなく sin(π/12) であり、中心角が 5π/6 になる点に注意する。積分解法でも積分記号と上下端は独立した表示数式に置く。

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出典: 東京大学 1986年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。