方針
長軸方向だけを半分に縮め、二つの楕円を中心間距離 d の二つの単位円へ変える。共通部分を二つの合同な弓形に分け、扇形から二等辺三角形を引いて求め、最後に面積倍率を戻す。
解答
楕円を4x2+y2≦1とし、短軸方向の移動距離をd=26−2とする。X=x/2,Y=y とおけば二つの楕円は二つの単位円になり、元の面積は新しい座標での面積の2倍である。
二円の中心と交点を結ぶ半径のなす角を θ とするとcosθ=2d=46−2=sin12π,したがって θ=5π/12 である。単位円の共通部分の面積 L は二つの弓形の和だからL=2(θ−21sin2θ).ここで sin2θ=sin(5π/6)=1/2 よりL=65π−21.面積倍率を戻すとM=2L=35π−1.
別解
解法2(円弧を積分する)
方針
同じ単位円への変換後、共通部分を中心線の中点で上下に分ける。上半分では原点中心の円の横幅が狭いので、その半幅 1−Y2 を積分し、三角置換で値を求める。
解答
X=x/2,Y=y により、中心 (0,0) と (0,d) をもつ二つの単位円へ直す。共通部分は直線 Y=d/2 に関して対称であり、Y≧d/2 では原点中心の円の方が横幅を制限する。したがってその面積 L はL=4∫d/211−Y2dY.ここで2d=sin12πである。Y=sint とおけば、積分範囲は π/12≦t≦π/2 となるからL=4∫π/12π/2cos2tdt=[2t+sin2t]π/12π/2=π−(6π+21)=65π−21.元の楕円では面積が2倍になるのでM=35π−1である。
総評
難易度5、計算量5。目安時間は15分である。楕円を円へ移す変換は長軸方向だけを縮めるため、面積倍率2を最後に戻す。d/2 は cos(π/12) ではなく sin(π/12) であり、中心角が 5π/6 になる点に注意する。積分解法でも積分記号と上下端は独立した表示数式に置く。
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出典: 東京大学 1986年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。