Evolton

東京大学 1988年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

xyz 空間において,xz 平面上の 0z2x2 で表される図形を z 軸のまわりに回転して得られる不透明な立体を V とする。V の表面上 z 座標 1 のところにひとつの点光源 P がある。

xy 平面上の原点を中心とする円 C の,P からの光が当たっている部分の長さが 2π であるとき,C のかげの部分の長さを求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

図形と方程式三角関数 座標設定円の性質三角比の利用

方針

回転体は 0z2r2 で表される放物面状の立体である。光源は対称性により (1,0,1) に置ける。光と影の境界は、光源で立体に接する平面と xy 平面との交線になるので、まず接平面を求める。円 C の照らされる部分は直線 x=3/2 の右側の弧になり、弧長条件から半径と中心角を決め、影の弧長を出す。

解答

立体 V は、z 軸からの距離を r とすると 0z2r2 で表される。z=1 の表面上では r=1 である。回転対称性により、光源を P=(1,0,1) としてよい。

表面は z=2x2y2 である。点 (1,0,1) における接平面を求める。z=2x2y2x 方向の傾きは 2xy 方向の傾きは 2y なので、点 (1,0,1) では z1=2(x1) である。したがって接平面は z=32x である。この平面と xy 平面 z=0 との交線は x=32 である。

この直線が、xy 平面上で光が当たる部分とかげの部分の境界になる。実際、点 (0,0,0) へ向かう線分は立体の内部を通るので光は届かず、十分右側の点へ向かう線分は接平面の外側を通るので光が届く。よって円 C 上で光が当たるのは x32 の側の弧である。

C の半径を R とする。光が当たる弧の中心角の半分を θ とおくと、境界点では Rcosθ=32 である。また、光が当たる部分の弧長が 2π なので 2Rθ=2π すなわち Rθ=π である。

第1式から R=32cosθ であり、これを Rθ=π に代入すると 3θ2cosθ=π となる。関数 θ/cosθ0<θ<π2 で増加するので、解は高々1つである。実際 θ=π33θ2cosθ=3π3212=πを満たす。したがって R=3212=3 である。

円周全体の長さは 2πR=6π であり、そのうち光が当たる部分の長さが 2π である。よって、かげの部分の長さは 6π2π=4π である。

別解

解法2:光源を通る鉛直断面で接線を引く

方針

光源と z 軸を通る平面で立体を切ると、境界は放物線になる。光と影の境界線は光源での接線なので、床との交点を高校数学の1変数微分で求める。

解答

回転対称性から P=(1,0,1) としてよい。
Pz 軸を通る鉛直平面 y=0 で切ると、立体の境界はz=2x2である。x=1 における接線の傾きは 2 だから、光と影の境界となる接線はz1=2(x1),すなわちz=32x.z=0 との交点は x=3/2 である。

3次元では、この接線を y 方向へ広げた平面が光と影の境界になるため、
床上の境界線はx=32.原点へ向かう光線は立体内部を通るので、照らされるのはこの直線の右側である。

C の半径を R、照らされる弧の中心角を 2θ とする。
境界弦までの距離と弧長からRcosθ=32,2Rθ=2π.したがって Rθ=πθ=π/3 を代入すると両式を満たし、
0<θ<π/2θ/cosθ は単調増加なので解はこれだけである。
よってR=3.円周は 6π、照らされる弧は 2π だから、かげの長さは6π2π=4πである。

総評

難度は10段階で7、計算量は10段階で6程度。試験場では35分前後を見込む。立体を3次元のまま追うより、光と影の境界が接平面で決まることを見抜くのが中心である。光が当たる側を逆にすると答えが変わるため、原点側がかげになることを一言確認しておきたい。弧長条件では Rcosθ=3/2Rθ=π の2式を立て、R=3,θ=π/3 を導く流れを省かないことが重要である。

冊子PDFで見る東大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 1988年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。