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東京大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

行列A=(abba)の表すxy平面の一次変換が,
直線y=2x+1を直線y=3x1へうつすとする.
P(1,2)がうつる点をQとし,原点をOとするとき,
二直線OPOQのなす角の大きさを求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安12

行列図形と方程式 回転・拡大内積の利用

方針

与えられた行列は原点を中心とする拡大回転型の1次変換であるが、まずは直線上の2点を使って a,b を決める。直線 y=2x+1 上の点 (0,1),(1,3) の移る先が、直線 y=3x1 上にある条件を立てる。a,b が決まれば P(1,2) の移る点 Q を計算し、内積で POQ を求める。

解答

直線 y=2x+1 上の2点 (0,1),(1,3) を考える。1次変換は直線を直線に移すので、この2点の移る先が直線 y=3x1 上にあればよい。

(0,1)(b,a) に移る。これが y=3x1 上にあるから a=3(b)1=3b1 である。

(1,3)(a3b,b+3a) に移る。これも y=3x1 上にあるので b+3a=3(a3b)1 である。整理すると 6a8b+1=0 である。a=3b1 を代入して 6(3b1)8b+1=0 より 10b5=0 となる。したがって a=b=12 である。

P(1,2) の移る点 QQ=(121122,121+122)=(12,32)である。よってOP=(1,2),OQ=(12,32)であり、OPOQ=1(12)+232=52である。また OP=5,OQ=104=102 だからcosPOQ=525102=12である。したがって求める角は π4 である。

別解

解法2:直線の方程式を変換して回転角を読む

方針

変換後の座標を (X,Y) とし、逆変換で元の直線 y2x1=0 を書き換える。得られる直線が 3X+Y+1=0 と係数比例する条件から a,b を決める。最後は行列が表す回転角を直接読む。

解答

変換後の座標をX=axby,Y=bx+ayとする。直線が直線へ移るので a2+b2\neqq0 であり、逆にx=aX+bYa2+b2,y=bX+aYa2+b2と書ける。元の直線 y2x1=0(b2a)X+(a2b)Y(a2+b2)=0へ移る。これが3X+Y+1=0と同じ直線だから、ある0でない実数 k によりb2a=3k,a2b=k,(a2+b2)=kである。最初の二式から a=b、さらに k=a である。第3式より2a2=a.a\neqq0 なので a=b=1/2 を得る。

この変換は複素数でいえば 1/2+i/2 を掛ける変換と同じで、長さを 1/2 倍し、正の向きに π/4 回転する。したがって任意の半直線とその像のなす小さい角はπ4であり、特に POQ=π/4 である。

総評

難度5、計算量5、目安時間12分。原問題が行列による一次変換を明示しているため、行列を用いる。直線上の2点の像から係数を決める方法と、直線方程式そのものを逆変換する方法で a=b=1/2 を確認した。最後は内積または拡大回転の角から π/4 を得る。

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出典: 東京大学 1987年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。