Evolton

東京大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

定数 p に対して,3次方程式x33xp=0の実数解の中で最大のものと最小のものとの積を f(p) とする。ただし,実数解がただひとつのときには,その2乗を f(p) とする。

(1) p がすべての実数を動くとき,f(p) の最小値を求めよ。

(2) p の関数 f(p) のグラフの概形をえがけ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

方程式・不等式関数微分 グラフの概形、パラメータ処理、解と係数の関係、範囲評価

方針

方程式を p=x33x と見て、曲線 y=x33x と水平線 y=p の交点を調べる。p2 では3実数解を αβγ とし、解と係数の関係から最大根と最小根の積を中間根 βαγ=β23 と表す。p>2 では実数解は1つだけなので、その解 u をパラメータにして f(p)=u2 を描く。端 p=±2 では値と片側から近づく枝がずれることに注意する。

解答

(1) h(x)=x33x とおく。微分すると h(x)=3x23=3(x1)(x+1) である。したがって h(x)(,1) で増加、(1,1) で減少、(1,) で増加する。また h(1)=2,h(1)=2 である。

よって p<2 では3つの異なる実数解をもち、p=±2 では重解を含む実数解をもつ。3つの実数解を、重解を含めて αβγ と書く。解と係数の関係より α+β+γ=0,αβ+βγ+γα=3 である。最大の解と最小の解の積は αγ である。α+γ=β なので 3=β(α+γ)+αγ=β2+αγ となり f(p)=αγ=β23 を得る。

このとき中間の解 β1β1 を動く。したがって 3β232 である。特に最小値は β=0 のとき、すなわち p=0 のときに 3 となる。

一方、p>2 では実数解はただ1つである。その解を u とすると、p>2 では u>2p<2 では u<2 である。よってこの場合 f(p)=u2>4 となり、全体の最小値にはならない。以上より、求める最小値は 3 である。

(2)
まず 2p2 の部分を描く。中間の解を t とおくと 1t1,p=t33t,f(p)=t23 である。t1 から 1 まで動くと、p=t33t2 から 2 まで単調に減少する。したがってこの部分は (2,2),(0,3),(2,2) を通る下側の曲線である。

次に p>2 の部分では、ただ1つの実数解 u>2 を用いて p=u33u,f(p)=u2 と表される。u2+ のとき p2+,f(p)4 であり、u では pf(p) である。

同様に p<2 の部分では u<2 を用いて p=u33u,f(p)=u2 で表される。u2 のとき p2,f(p)4 であり、u では pf(p) である。

また、方程式は xx に替えると p の符号が反対になるので、f(p) のグラフは y 軸対称である。

したがってグラフは、2p2(2,2),(0,3),(2,2) を通る下側の曲線を持ち、p>2p<2 では f>4 の上側の2枝を持つ。p=±2 での関数値は 2 であるが、外側の枝は 4 に近づくので、そこで不連続になる。

総評

3次方程式の実根を、曲線 y=x33x と水平線の交点として整理する問題である。目安時間は20分。3実根のときに根を全部求めようとせず、中間根 βαγ=β23 と表すのが要点である。グラフでは p=±2 の値が 2 である一方、外側の1実根枝は 4 に近づくため、端点の不連続を描き落としやすい。

冊子PDFで見る東大の方程式・不等式の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 1991年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。