Evolton

東京大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

xについての方程式px2+(p2q)x(2pq1)=0が解をもち,すべての解の実部が負となるような実数の組(p,q)の範囲をpq平面上に図示せよ。

ただし,複素数a+bi (a,bは実数,iは虚数単位)に対し,aをこの複素数の実部という。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

方程式・不等式複素数平面図形と方程式 場合分け、必要十分条件、範囲評価、解と係数の関係

方針

p=0 で方程式が1次式に退化するので,まず p0p=0 に分ける。p0 では最高次係数で割って x2+Bx+C=0 とし,実係数2次方程式のすべての解の実部が負になる条件を B>0C>0 に直す。これは実数解なら和と積,実数でない解なら2解の実部がともに B/2 であることから分かる。最後に p の符号で不等式の向きを丁寧に処理し,p=0 の線分を忘れずに加える。

解答

まず p0 の場合を考える。方程式を p で割ると x2+p2qpx+2p+q+1p=0 である。

ここで,一般に実係数方程式 x2+Bx+C=0 の2つの解の実部がともに負であるための必要十分条件は B>0,C>0 である。実数解をもつときは,2解の和が B,積が C であるから,両方が負であることと同値である。実数でない解をもつときは,2解の実部はいずれも B/2 であり,このとき C は正である。

したがって p0 では p2qp>0,2p+q+1p>0 が必要十分条件である。 p>0 のときは q<p2,q>2p1 となるので 2p1<q<p2 である。この範囲は p=1 では空であるが,不等式そのものがそのことを含んでいる。 p<0 のときは不等式の向きが反対になり q>p2,q<2p1 となる。しかし p<0 では p2>02p1<0 なので,これを同時に満たす q は存在しない。

次に p=0 の場合を考える。このとき方程式は qx+q+1=0 である。q=0 なら 1=0 となり解をもたない。q0 なら解は x=q+1q であり,この実数が負である条件は q+1q<0 である。よって 1<q<0 である。

以上より,求める範囲は p>0,2p1<q<p2 で表される部分と,p=0,1<q<0 で表される線分である。図示では,放物線 q=p2 と直線 q=2p1 の間で p>0 の部分を境界を含めずに塗り,さらに q 軸上の 1<q<0 の開線分を加える。

総評

退化を含む2次方程式の解の実部条件を,係数条件に直す問題である。目安時間は18分。p0 では B>0,C>0 を必要十分条件として使えばよいが,p で割った後に不等式の向きが p の符号で変わる点が落とし穴である。p=0 は1次方程式として別に扱う必要があり,この線分を答えに加え忘れやすい。

冊子PDFで見る東大の方程式・不等式の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 1992年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。