方針
乙の出資額は s−a なので,乙の利潤配分額は g(s)=ss−af(s) である。定義域は s≧a で,利潤関数の折れ目 s=2 に合わせて a≦s≦2 と s>2 に分ける。前半では g(s)=41(s−a)(s−3)2 の増減を調べ,後半では g(s)=41(8−3s+3a−8a/s) を微分する。最後に a=3/2 を境に,前半の内点最大と後半の内点最大のどちらが有効になるかを整理する。
解答
乙の出資額は s−a であるから,乙の利潤配分額を g(s) とすると g(s)=ss−af(s) である。ここで s≧a であり,0≦a≦2 である。
まず a≦s≦2 の範囲を考える。このとき g(s)=ss−a⋅41s(s−3)2=41(s−a)(s−3)2 である。微分すると g′(s)=41{(s−3)2+2(s−a)(s−3)}=41(s−3)(3s−2a−3) である。この範囲では s−3<0 なので,g′(s) の符号は 3s−2a−3 と逆になる。
臨界点は s=1+32a である。これが a≦s≦2 に入る条件は a≦1+32aかつ1+32a≦2 であり,これは 0≦a≦3/2 と同値である。このとき前半の最大は s=1+32a で生じ,値は g(1+32a)=27(3−a)3 である。3/2<a≦2 のときはこの臨界点が 2 を超えるため,a≦s≦2 では右端 s=2 で最大となる。
次に s>2 の範囲を考える。このときg(s)=ss−a(−43s+2)=41(8−3s+3a−s8a)である。微分すると g′(s)=41(−3+s28a) である。後半の臨界点は s=38a である。 0≦a≦3/2 のときは 8a/3≦2 なので,s>2 では g′(s)<0 となり,最大は s=2 に近づくときの値である。その値は g(2)=42−a である。一方,前半の最大値との差は 27(3−a)3−42−a=108(6−a)(2a−3)2≧0 であるから,全体の最大は前半の臨界点で得られる。 3/2<a≦2 のときは 8a/3>2 であり,後半ではこの点で最大となる。またこの場合,前半の最大は s=2 であり,後半の臨界点ではそこから増加してから減少するので,全体の最大は s=38a で得られる。
したがって,乙の利潤配分額を最大にする s はs=⎩⎨⎧1+32a38a(0≦a≦23),(23<a≦2)である。
総評
比例配分を関数に直し,折れ目をまたぐ最大値をパラメータで分類する問題である。目安時間は22分。s は合計出資額なので s≧a を満たすこと,さらに f(s) が s=2 で式を変えることを同時に管理する必要がある。境目 a=3/2 では最大点が s=2 でつながる。前半の最大値と後半端点の値を比較する計算を省くと,0≦a≦3/2 の結論の根拠が弱くなる。
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出典: 東京大学 1992年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。