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東京大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

甲,乙二人が出資して共同事業を行う。
二人の出資合計をsとするとき,この事業による利潤f(s)f(s)={14s(s3)2(0s2),34s+2(s>2)で与えられ,利潤は出資額に応じて甲,乙に比例配分されるものとする。

甲の出資額aが一定であるとして,乙の利潤配分額を最大にするsの値を求めよ。
ただし0a2とする。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

関数微分 微分による最大最小、場合分け、パラメータ処理、計算整理

方針

乙の出資額は sa なので,乙の利潤配分額は g(s)=sasf(s) である。定義域は sa で,利潤関数の折れ目 s=2 に合わせて as2s>2 に分ける。前半では g(s)=14(sa)(s3)2 の増減を調べ,後半では g(s)=14(83s+3a8a/s) を微分する。最後に a=3/2 を境に,前半の内点最大と後半の内点最大のどちらが有効になるかを整理する。

解答

乙の出資額は sa であるから,乙の利潤配分額を g(s) とすると g(s)=sasf(s) である。ここで sa であり,0a2 である。

まず as2 の範囲を考える。このとき g(s)=sas14s(s3)2=14(sa)(s3)2 である。微分すると g(s)=14{(s3)2+2(sa)(s3)}=14(s3)(3s2a3) である。この範囲では s3<0 なので,g(s) の符号は 3s2a3 と逆になる。

臨界点は s=1+2a3 である。これが as2 に入る条件は a1+2a3かつ1+2a32 であり,これは 0a3/2 と同値である。このとき前半の最大は s=1+2a3 で生じ,値は g(1+2a3)=(3a)327 である。3/2<a2 のときはこの臨界点が 2 を超えるため,as2 では右端 s=2 で最大となる。

次に s>2 の範囲を考える。このときg(s)=sas(34s+2)=14(83s+3a8as)である。微分すると g(s)=14(3+8as2) である。後半の臨界点は s=8a3 である。 0a3/2 のときは 8a/32 なので,s>2 では g(s)<0 となり,最大は s=2 に近づくときの値である。その値は g(2)=2a4 である。一方,前半の最大値との差は (3a)3272a4=(6a)(2a3)21080 であるから,全体の最大は前半の臨界点で得られる。 3/2<a2 のときは 8a/3>2 であり,後半ではこの点で最大となる。またこの場合,前半の最大は s=2 であり,後半の臨界点ではそこから増加してから減少するので,全体の最大は s=8a3 で得られる。

したがって,乙の利潤配分額を最大にする ss={1+2a3(0a32),8a3(32<a2)である。

総評

比例配分を関数に直し,折れ目をまたぐ最大値をパラメータで分類する問題である。目安時間は22分。s は合計出資額なので sa を満たすこと,さらに f(s)s=2 で式を変えることを同時に管理する必要がある。境目 a=3/2 では最大点が s=2 でつながる。前半の最大値と後半端点の値を比較する計算を省くと,0a3/2 の結論の根拠が弱くなる。

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出典: 東京大学 1992年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。