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東京大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

3次関数f(x)=x3+ax2+bxは極大値と極小値をもち,
それらを区間1x1内でとるものとする。
この条件を満たすような実数の組(a,b)の範囲をab平面上に図示せよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

関数微分図形と方程式 増減表微分による最大最小必要十分条件、範囲評価

方針

極大値と極小値は,導関数 f(x)=3x2+2ax+b の相異なる2つの零点で与えられる。したがって問題は,この2次関数の2つの実数解がどちらも [1,1] に入る条件に言い換えられる。下に凸の2次関数について,軸が区間内にあり,両端の値が0以上,頂点の値が負であることを確認すれば,2つの交点が区間内に収まる。最後は a,b 平面で,2本の直線の上側かつ放物線の下側として図示する。

解答

導関数は f(x)=3x2+2ax+b である。3次関数 f(x) が極大値と極小値をもつためには,f(x)=0 が相異なる2つの実数解をもつ必要があり,またそれで十分である。この2つの解を α<β とすると,極値をとる点が区間 [1,1] に入る条件は 1α<β1 である。 h(x)=3x2+2ax+b とおく。h(x) は下に凸で,軸は x=a3 である。2つの解がともに [1,1] に入ることは,次の4条件と同値である。 1a31, h(1)0,h(1)0, h(a3)<0. 実際,軸が区間内にあり,頂点で負,両端で0以上なら,グラフは区間の内部または端点で2回 x 軸と交わる。逆に2つの解が区間内にあれば,軸はその中点なので区間内にあり,区間の両端は2つの解の外側にあるから値は0以上である。

各条件を計算する。軸の条件から 3a3 である。また h(1)=32a+b,h(1)=3+2a+b より b2a3,b2a3 を得る。さらにh(a3)=3a292aa3+b=ba23であるから b<a23 である。

したがって求める範囲は3a3,b2a3,b2a3,b<a23をすべて満たす部分である。図示すると,a=3a=3 の間で,2直線 b=2a3b=2a3 の両方の上側,かつ放物線 b=a2/3 の下側である。直線の境界は含むが,放物線の境界は相異なる2つの解を失うので含まない。

別解

解法2

方針

導関数の2根を α<β と置き、係数 (a,b) を根の和と積で直接表す。
長方形 1α<β1 の境界が、ab 平面で2直線と1本の
放物線へ移ることを調べれば、境界を含むかどうかまで幾何的に決定できる。

解答

f(x)=3x2+2ax+b の相異なる2根を α<β とする。極大点と
極小点がともに [1,1] にある条件は1α<β1である。根と係数の関係から3x2+2ax+b=3(xα)(xβ),a=32(α+β),b=3αβを得る。

α=1 の境界ではa=32(1β),b=3βであるから、β を消去すると b=2a3 となる。同様に
β=1 の境界は b=2a3 である。これらは端点で極値をとる場合を
表すので境界を含む。

一方、α=βa=3α,b=3α2=a23を与えるが、このとき導関数は重根をもち、極大値と極小値をもたない。
よって放物線の境界は含まない。内部の点として(α,β)=(1/2,1/2) を取ると (a,b)=(0,3/4) であるから、
選ぶ側も確定する。

したがって求める範囲は3a3,b2a3,b2a3,b<a23を同時に満たす部分である。なお a=±3 では上下の境界が一致して
実際の点は残らない。

実線は含み、破線は含まない。

総評

難度6、計算量5、目安18〜22分。導関数の判別式だけでは2つの極値点が区間内にあることを保証できない。解法1は軸・端点・頂点の必要十分条件、解法2は2根の像で同じ領域を導いた。直線境界は含み、重根を表す放物線境界は含まない。図の塗り分けと端点の空集合まで照合した。

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出典: 東京大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。