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東京大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

xy平面において,x座標,y座標ともに整数であるような点を格子点と呼ぶ。
格子点を頂点に持つ三角形ABCを考える。

(1)ABACそれぞれの上に両端を除いて奇数個の格子点があるとすると,辺BC上にも両端を除いて奇数個の格子点があることを示せ。

(2)ABAC上に両端を除いて丁度3点ずつ格子点が存在するとすると,三角形ABCの面積は8で割り切れる整数であることを示せ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安16

整数図形と方程式論証・証明 剰余分類、必要十分条件座標設定面積計算

方針

格子点同士を結ぶ線分上の格子点数は,座標差の2成分の最大公約数で決まる。具体的には,差が u,v なら両端を除く格子点数は gcd(u,v)1 個である。(1)ではこの個数が奇数であることを,最大公約数が偶数であること,したがって座標差の2成分がともに偶数であることに言い換える。(2)では内部格子点がちょうど3個なので,BACA の各成分がともに4の倍数になる。最後に座標による三角形の面積公式へ代入し、面積が8の倍数であることを示す。

解答

(1)
2つの格子点 U(x1,y1)V(x2,y2) を結ぶ線分を考える。座標差を u=x2x1,v=y2y1 とし,d=gcd(u,v) とおく。線分 UV 上の格子点は U+kd(u,v)(k=0,1,2,,d) で表され,両端を除く格子点は d1 個である。

AB 上の両端を除く格子点が奇数個であるから,対応する d1 が奇数である。したがって d は偶数である。よって A から B への座標差の2成分はともに偶数である。同様に,A から C への座標差の2成分もともに偶数である。

すると BC=ACAB の2成分もともに偶数である。したがって辺 BC に対応する最大公約数も偶数であり,辺 BC 上の両端を除く格子点数は 偶数1 だから奇数個である。

(2)
平行移動しても格子点であることや面積は変わらないので,A を原点としてよい。辺 AB 上に両端を除いてちょうど3個の格子点があるから,AB に対応する最大公約数は4である。したがって B=(4m,4n) と書ける。同様に C=(4r,4s) と書ける。ただし m,n,r,s は整数である。

B=(x1,y1)C=(x2,y2) と原点がつくる三角形の面積は、底辺と高さから得られる座標の面積公式により12x1y2y1x2である。ここで x1=4m, y1=4n, x2=4r, y2=4s を代入すると、三角形 ABC の面積は12(4m)(4s)(4n)(4r)=8msnrとなる。msnr は整数なので,三角形 ABC の面積は8で割り切れる整数である。

総評

格子点の個数を最大公約数で読む整数幾何の問題である。目安時間は16分。(1)は「内部格子点が奇数個」から最大公約数が偶数であると読み替えるのが要点である。(2)は内部格子点3個を「座標差が4の倍数」と言い換え,面積公式へ入れるだけでよい。最大公約数と内部格子点数の関係を最初に明示しないと,偶奇の議論が根拠不足に見えやすい。

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出典: 東京大学 1992年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。