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東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

大量のカードがあり,各々のカードに1,2,3,4,5,6の数字のいずれかの一つが書かれている。
これらのカードから無作為に1枚をひくとき,どの数字のカードをひく確率も正である。
さらに,3の数字のカードをひく確率はpであり,1,2,5,6の数字のカードをひく確率はそれぞれqに等しいとする。

これらのカードから1枚をひき,その数字aを記録し,このカードをもとに戻して,もう1枚ひき,その数字をbとする。
このとき,a+b4となる事象をAa<bとなる事象をBとし,それぞれのおこる確率をP(A)P(B)と書く。

(1) E=2P(A)+P(B)とおくとき,Epqで表せ。

(2) 1p1qがともに自然数であるとき,Eの値を最大にするようなpqを求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

確率整数方程式・不等式 数え上げ、範囲評価、場合分け

方針

4のカードを引く確率をr=1p4qとおき,まずABを直接数える。Aは和が4以下になる6通りを列挙する。Bは独立に2回引くので,異なる数字が出る確率の半分としてP(B)を求める。
(2)ではp=1/mq=1/nとおく。正の確率条件からp+4q<1,したがってn5である。n=5を先に処理し,n6ではq<1/81/8q1/6に分けて上界を作り,候補p=1/6,q=1/5を超えないことを示す。

解答

(1)

1,2,5,6のカードを引く確率はそれぞれq,3のカードを引く確率はpである。したがって4のカードを引く確率は r=1p4q である。 a+b4となるのは (1,1),(1,2),(2,1),(2,2),(1,3),(3,1) の場合である。よって P(A)=q2+q2+q2+q2+pq+pq=4q2+2pq である。

次にBを求める。2回の数字が異なるとき,a<ba>bは対称に起こる。したがって P(B)=12P(ab) である。2回の数字が等しい確率は 4q2+p2+r2 であるから P(B)=12{14q2p2(1p4q)2} である。

したがって E=2P(A)+P(B)E=2(4q2+2pq)+12{14q2p2(1p4q)2} である。展開すると E=pp2+4q2q2 である。

(2) 1/p1/qが自然数なので p=1m,q=1n とおける。ただしm,nは自然数である。4のカードの確率が正であることから 1p4q>0 であり,特に4q<1である。よって n5 である。

まずn=5,すなわちq=1/5の場合を考える。このときp<1/5なのでm6である。0<p<1/2ではpp2は増加するから,m6の中ではm=6,すなわちp=1/6のとき最大になる。このとき E=16136+45225=773900 である。

次にn6とする。このときq1/6である。 q<1/8の場合,pp21/4であり,また4q2q20<q<1/8で増加するので 4q2q2<4182(18)2=1532 である。したがって E<14+1532=2332<773900 である。 1/8q1/6の場合,p<14q1/2である。0<p<1/2pp2は増加するから pp2<(14q)(14q)2=4q16q2 である。よって E<8q18q2 である。関数8q18q21/8q1/6で増加するので E<81618(16)2=56<773900 である。

以上より,n6ではE=773/900を超えない。したがってEを最大にするのは p=16,q=15 である。

別解

解法2

方針

(1) は順序対を直接数える。(2)は q=1/n ごとに許される最大の p=1/m を選び、少数の境界候補と単調な上界に分けて離散条件を処理する。

解答

(1)
4のカードの確率を r=1p4q とする。A に属する順序対は(1,1),(1,2),(2,1),(2,2),(1,3),(3,1)だからP(A)=4q2+2pq.また、独立同分布な2回の抽出では a<ba>b は同確率である。
したがってP(B)=12{1(4q2+p2+r2)}.整理してE=pp2+4q2q2.(2)
p=1/m, q=1/n とする。r>0 より n5 である。
固定した q のもとでは、0<p<1/2 の範囲で pp2 は増加する。

n=5 では p<1/5 なので最大の候補は p=1/6 でありE=773900.n=6,7,8 では、それぞれ許される最大の pn678p1/41/31/3である。代入値はいずれも 773/900 より小さい。

n9 では q1/9 でありpp214,4q2q249281=3481.ゆえにE14+3481=217324<773900.したがって最大にする組はp=16,q=15である。このとき r=1/30>0 なので、すべての数字の確率が正という条件も
満たす。

総評

難度は7、計算量は6。4のカードの確率 1p4q>0 と逆数の離散条件を含め、候補を全域で比較した。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。 図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。