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東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

f(x)=x4+x3+12x2+16x+124,g(x)=x5+x4+12x3+16x2+124x+1120とする。このとき,以下のことが成り立つことを示せ。

(1) 任意の実数xに対し,f(x)>0である。

(2) 方程式g(x)=0はただひとつの実数解αをもち,1<α<0となる。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

数と式微分方程式・不等式 不等式評価微分による最大最小、存在証明、一意性証明

方針

(1)f(x)を平方の和と正の定数に分解して,任意の実数で正であることを示す。
(2)はg(x)を平方の和と正の定数に分解し,gが実数全体で単調増加であることを示す。あとはg(1)<0<g(0)を直接計算し,中間値と単調性から,解の存在・一意性・範囲1<α<0を同時に結論する。

解答

(1)

平方完成を行うとf(x)=(x2+x2)2+14(x+13)2+172である。実際,右辺を展開するとx4+x3+14x2+14x2+16x+136+172=x4+x3+12x2+16x+124となり,f(x)と一致する。

右辺の2つの平方は0以上であり,最後に1/72が加わっている。したがって任意の実数xに対して f(x)>0 である。

(2) gを微分すると g(x)=5x4+4x3+32x2+13x+124 である。これも平方完成によりg(x)=5(x2+25x)2+710(x+521)2+1504と書ける。展開して確認すると,x2の係数は4/5+7/10=3/2xの係数は7/1010/21=1/3,定数項は5/126+1/504=1/24である。

したがって任意の実数xに対して g(x)>0 であり,g(x)は実数全体で単調に増加する。

端点の値を調べると g(1)=1+112+16124+1120=1130<0 であり,また g(0)=1120>0 である。よって連続性により,1<x<0g(x)=0を満たす実数解が少なくとも一つ存在する。

さらにg(x)は単調に増加するので,実数解は二つ以上存在できない。したがって方程式g(x)=0はただ一つの実数解αをもち,その解は 1<α<0 を満たす。

別解

解法2

方針

正の側と負の側を分け、負の側では t=x として正定値な2次式に分解する。導関数にも同じ方法を使い、平方完成とは別の符号判定で単調性を得る。

解答

(1)
x0 では f(x) の各項が正なので明らかである。x<0 では
t=x>0 とおくとf(t)=t2(t12)2+6t24t+124.第2項の分子は、判別式が(4)2461=8<0で最高次係数が正だから常に正である。ゆえに f(x)>0 はすべての実数で
成り立つ。

(2)
x0 では g(x) の各項が正である。x=t<0 ではg(t)=t2(5t24t+45)+(710t213t+124).第1の括弧は 5(t2/5)2 である。第2の括弧も、判別式が194710124=1180<0で最高次係数が正だから常に正である。したがって g(x)>0 は実数全体で
成り立ち、g は狭義単調増加である。

さらにg(1)=1130<0,g(0)=1120>0.中間値の定理から (1,0) に零点が存在し、狭義単調増加性からそれは
ただ1つである。

総評

難度は6、計算量は5。g(1)=11/30 を再計算し、導関数の正値性を2通りの分解で照合した。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。 図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。