方針
(1) はf(x)を平方の和と正の定数に分解して,任意の実数で正であることを示す。
(2)はg′(x)を平方の和と正の定数に分解し,gが実数全体で単調増加であることを示す。あとはg(−1)<0<g(0)を直接計算し,中間値と単調性から,解の存在・一意性・範囲−1<α<0を同時に結論する。
解答
(1)
平方完成を行うとf(x)=(x2+2x)2+41(x+31)2+721である。実際,右辺を展開するとx4+x3+41x2+41x2+61x+361+721=x4+x3+21x2+61x+241となり,f(x)と一致する。
右辺の2つの平方は0以上であり,最後に1/72が加わっている。したがって任意の実数xに対して f(x)>0 である。
(2) gを微分すると g′(x)=5x4+4x3+23x2+31x+241 である。これも平方完成によりg′(x)=5(x2+52x)2+107(x+215)2+5041と書ける。展開して確認すると,x2の係数は4/5+7/10=3/2,xの係数は7/10⋅10/21=1/3,定数項は5/126+1/504=1/24である。
したがって任意の実数xに対して g′(x)>0 であり,g(x)は実数全体で単調に増加する。
端点の値を調べると g(−1)=−1+1−21+61−241+1201=−3011<0 であり,また g(0)=1201>0 である。よって連続性により,−1<x<0にg(x)=0を満たす実数解が少なくとも一つ存在する。
さらにg(x)は単調に増加するので,実数解は二つ以上存在できない。したがって方程式g(x)=0はただ一つの実数解αをもち,その解は −1<α<0 を満たす。
別解
解法2
方針
正の側と負の側を分け、負の側では t=−x として正定値な2次式に分解する。導関数にも同じ方法を使い、平方完成とは別の符号判定で単調性を得る。
解答
(1)
x≧0 では f(x) の各項が正なので明らかである。x<0 では
t=−x>0 とおくとf(−t)=t2(t−21)2+246t2−4t+1.第2項の分子は、判別式が(−4)2−4⋅6⋅1=−8<0で最高次係数が正だから常に正である。ゆえに f(x)>0 はすべての実数で
成り立つ。
(2)
x≧0 では g′(x) の各項が正である。x=−t<0 ではg′(−t)=t2(5t2−4t+54)+(107t2−31t+241).第1の括弧は 5(t−2/5)2 である。第2の括弧も、判別式が91−4⋅107⋅241=−1801<0で最高次係数が正だから常に正である。したがって g′(x)>0 は実数全体で
成り立ち、g は狭義単調増加である。
さらにg(−1)=−3011<0,g(0)=1201>0.中間値の定理から (−1,0) に零点が存在し、狭義単調増加性からそれは
ただ1つである。
総評
難度は6、計算量は5。g(−1)=−11/30 を再計算し、導関数の正値性を2通りの分解で照合した。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。 図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。
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出典: 東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。