方針
正多角形を保つ一次変換は原点を固定する合同変換であり、 個の回転と 個の鏡映からなる。各行列を角度で列挙し、三角関数の等間隔和が0であることから総和を求める。
解答
(1) とする。正 角形を自身へ移す変換は、 の回転と、原点を通り偏角 の直線に関する鏡映の合計 個である。実際、頂点 の像を選んだ後、隣の頂点を時計回り・反時計回りのどちらへ移すかでこの2種類に限られる。
(2) では従って 全体の和も 全体の和も零行列である。求める総和は
別解
解法2
方針
正多角形を保つ変換が基底ベクトル
をどこへ送るかで分類する。 の像を1頂点に固定すると、
隣接頂点の順序を保つか反転するかの2択しかない。総和は各基底の像を
幾何的に対消滅させて求める。
解答
(1)
とする。頂点 の像は
のいずれかである。像を1つ固定すると、
隣の頂点を反時計回り側へ送る場合と時計回り側へ送る場合の2通りしかない。
それぞれである。 として、これら 個がすべてである。
(2)
全行列の和を とする。各 についてである。正 角形の中心は頂点の重心なので、全頂点ベクトルの和は
零ベクトルである。したがって である。
または互いに反対向きだから、各 ごとに打ち消し合う。よって でもある。2本の基底の像がともに0なので図は の模式図である。
総評
難度6、計算量6、目安15〜18分。正多角形を保つ一次変換は 個の回転と 個の鏡映に限られる。解法1は行列成分の三角関数和、解法2は2本の基底ベクトルの像の幾何的相殺で総和を求めた。回転だけを列挙しないことと、他の一次変換がない理由を頂点像と隣接順序で説明することが重要である。