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東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

0<c<1とする。0x<1において連続な関数f(x)に対してf1(x)=f(x)+0cf(t)dt,f2(x)=f(x)+0cf1(t)dtとおく。以下,関数f3(x),f4(x),を順次fn(x)=f(x)+0cfn1(t)dt(n=3,4,)により定める。また,g(c)=0cf(t)dtとし,n=1,2,3,に対しgn(c)=0cfn(t)dtとおく。このとき,0<x<1を満たす任意のxに対しxf(x)=g(x)+xlimngn(x)が成り立ち,さらにf(0)=1となるようなf(x)を定めよ。

難易度8/ 10計算量6/ 10目安25

積分数列関数 漸化式の変形極限計算、式変形、置換

方針

まず上端を固定して,gn(c)だけの漸化式を作る。定義よりgn(c)=g(c)+cgn1(c)となるので,0<c<1からlimngn(c)=g(c)/(1c)を得る。
これを条件式に代入し,x(1x)f(x)=g(x)へ変形する。さらにg(x)=f(x)を使い,x(1x)g(x)=g(x)を解く。割り算でg(x)の符号を仮定しなくてすむよう,(1x)g(x)/xが一定であることを直接微分して示す。最後にf(0)=1から定数を決め,代入確認も行う。

解答

0<c<1を固定する。定義からgn(c)=0cfn(t)dt=0c{f(t)+0cfn1(u)du}dtである。内側の積分はtによらない定数なのでgn(c)=g(c)+c0cfn1(u)du=g(c)+cgn1(c)となる。

したがって gn(c)=g(c)(1+c++cn1) であり,0<c<1より limngn(c)=g(c)1c である。

問題の条件にc=xとしてこの極限を代入すると,0<x<1xf(x)=g(x)+xg(x)1x=g(x)1x である。よって x(1x)f(x)=g(x) を得る。

ここでg(x)=0xf(t)dtだからg(x)=f(x)である。したがって x(1x)g(x)=g(x)(0<x<1) である。 0<x<1H(x)=1xxg(x) とおく。上の式を用いて微分するとH(x)=1xxg(x)1x2g(x)=1xxg(x)x(1x)g(x)x2=0である。よってH(x)は定数であり,ある定数Cを用いて 1xxg(x)=C と書ける。すなわち g(x)=Cx1x である。

したがって f(x)=g(x)=C(1x)2 である。f(0)=1よりC=1だから f(x)=1(1x)2(0x<1) である。

最後に確認する。このfに対してg(x)=0x1(1t)2dt=x1xであるから,limngn(x)=g(x)1x=x(1x)2 である。するとg(x)+xlimngn(x)=x1x+x2(1x)2=x(1x)2=xf(x)となり,確かに条件を満たす。

別解

解法2

方針

極限から得られる積分方程式を微分し、(1x)2f(x) の導関数が0になることを直接示す。対数積分や f での割り算を避ける。

解答

まず固定した c についてgn(c)=g(c)+cgn1(c)である。これを繰り返すとgn(c)=g(c)(1+c++cn1),したがってlimngn(c)=g(c)1c.条件式に c=x を代入すればxf(x)=g(x)1x,すなわちg(x)=x(1x)f(x).左辺は微分可能なので、0<x<1 で右辺も微分できる。g(x)=f(x)
用いて微分するとf(x)=(12x)f(x)+x(1x)f(x).よって(1x)f(x)=2f(x).ここでddx{(1x)2f(x)}=(1x){(1x)f(x)2f(x)}=0.したがって (1x)2f(x)=C である。fx=0 で連続し、
f(0)=1 だから C=1 となる。ゆえにf(x)=1(1x)2(0x<1).この関数では g(x)=x/(1x) となり、元の条件への代入でも等式が成立する。

総評

難度は8、計算量は6。極限を取る変数と積分上端を区別し、得られた関数を元の式へ代入確認した。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。 図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。