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東京大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

座標平面上を運動する3点PQRがあり,時刻tにおける座標が次で与えられている。P:(x,y)=(cost,sint)Q:(x,y)=(1vt,32)R:(x,y)=(1vt,1)ただし,vは正の定数である。
この運動において,以下のそれぞれの場合にvのとりうる値の範囲を求めよ。

(1)Pと線分QRが時刻0から2πまでの間ではぶつからない。

(2)Pと線分QRがただ一度だけぶつかる。

難易度7/ 10計算量5/ 10目安25

三角関数図形と方程式関数微分 パラメータ処理、範囲評価、微分による最大最小、場合分け

方針

線分 QR は時刻 t において x=1vt3/2y1 の縦線分である。点 P がぶつかる条件は cost=1vt3/2sint1 の同時成立であり、後者から tπ/3t2π/3 に限られる。したがって v=(1cost)/t のこの区間での値域を求め、さらに単調性により衝突回数を判断する。

解答

(1)
時刻 t において、線分 QRx=1vt,32y1 で表される縦の線分である。点 P(cost,sint) だから、P が線分 QR 上にある条件は cost=1vt,32sint1 である。 0t2π において 32sint1 となるのは π3t2π3 のときである。したがって衝突が起こるためには、この区間のある t について v=1costt となればよい。 ϕ(t)=1costt とおく。すると ϕ(t)=tsint+cost1t2 である。分子を F(t)=tsint+cost1 とおくと F(t)=tcost である。したがって F[π/3,π/2] で増加し、[π/2,2π/3] で減少する。

端点では F(π3)=π3612>0, F(2π3)=π3332>0 であるから、この区間全体で F(t)>0 である。よって ϕ(t)[π/3,2π/3] で単調増加する。

したがって衝突が起こる v の範囲は ϕ(π3)vϕ(2π3) である。端点の値は ϕ(π3)=11/2π/3=32π, ϕ(2π3)=1(1/2)2π/3=94π である。よって、ぶつからないための条件はこの範囲の外側、すなわち 0<v<32πまたはv>94π である。

(2)
上で示したように、衝突は v=ϕ(t),π3t2π3 と同値であり、ϕ(t) はこの区間で単調増加である。したがって 32πv94π のとき、対応する時刻 t はただ1つ存在する。端点の場合も、t=π/3 または t=2π/3 で1回だけぶつかる。

よって、点 P と線分 QR がただ一度だけぶつかるための v の範囲は 32πv94π である。

別解

解法2(速度を時刻の関数として比較する)

方針

衝突可能な円弧を先に限定し、各時刻に衝突を起こす速度 v=(1cost)/t を考える。そのグラフが対象区間で狭義増加することを端点を含めて示し、水平線との交点数を数える。

解答

(1)
線分 QR 上の点はx=1vt,32y1を満たす。したがって衝突時刻はπ3t2π3に限られ、そのときv=ψ(t):=1costt.微分するとψ(t)=tsint+cost1t2.分子を H(t) とおけば H(t)=tcost である。
ゆえに H[π/3,π/2] で増加し、
[π/2,2π/3] で減少する。両端ではH(π3)=π3612>0,H(2π3)=π3332>0.したがって全区間で ψ(t)>0 である。

衝突する速度の全範囲はψ(π3)vψ(2π3),すなわち32πv94π.よって衝突しない範囲は0<v<32πまたはv>94π.(2)
ψ は連続かつ狭義増加なので、上の閉区間内の各 v に対し
v=ψ(t) を満たす時刻はただ1つである。端点速度でも対応時刻はそれぞれ
π/3,2π/3 の1回だけである。したがって32πv94π.

総評

難度7、計算量5。衝突条件はx座標の一致だけでなく、Pのy座標が線分QRの範囲内にあることも必要。その条件で時刻を閉区間に限定してから速度関数の値域と単調性を調べた。端点速度では線分の端点に1回衝突するため、第(2)問の範囲には両端を含む。 2つの解法は着眼点を分け、必要性・十分性、端点、等号条件を省略せず記述した。

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出典: 東京大学 2000年度 前期 理科 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。