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東京大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

円周率が3.05より大きいことを証明せよ。

難易度5/ 10計算量3/ 10目安15

三角関数論証・証明 図形的解釈三角比の利用不等式評価

方針

円周率の下からの評価なので、半径1の円に内接する正多角形の周長を使う。正12角形なら一辺は 2sin15 で、円周 2π はその周長より大きいから π>12sin15 となる。加法定理で 12sin15=3(62) とし、最後は 6 を下から、2 を上から有理数で評価して、差が3.05を超えることを分数で示す。

解答

半径1の円を考える。この円の円周は 2π である。

この円に内接する正12角形をとる。中心角は 36012=30 であるから、正12角形の一辺の長さは 2sin15 である。内接多角形の周の長さは円周より小さいので 122sin15<2π である。したがって π>12sin15 を得る。

次に sin15 を求める。加法定理より sin15=sin(4530) =sin45cos30cos45sin30=22322212=624である。よって π>12624=3(62) である。

ここで根号を分数で評価する。 (229)2=48481<48681=6 だから 6>229 である。また (1712)2=289144>288144=2 だから 2<1712 である。したがって62>2291712=885136=3736であり、π>3(62)>33736=3712 である。

最後に 3712>366120=6120=3.05 である。よって π>3.05 が示された。

別解

解法2(定積分を多項式で下から評価)

方針

π/4=01(1+x2)1dxを用いる。
有限等比級数の余りの符号から被積分関数を12項の多項式で下から押さえ、
積分後は6つの正の分数を簡単な千分率で評価する。

解答

π4=0111+x2dxである。有限等比級数の公式から11+x2=1x2+x4+x20x22+x241+x2.0x1 では最後の項が非負だから11+x21x2+x4+x20x22.よってπ4>113+1517++121123=23+235+299+2195+2323+2483.各項を下から評価すると23>6661000,235>571000,299>201000,2195>101000,2323>61000,2483>41000.したがってπ4>7631000>6180.両辺を4倍してπ>6120=3.05を得る。

総評

円周率を下から示す証明なので、内接多角形の周長を使う発想が自然である。目安時間は8〜12分。正12角形を選ぶと 15 の三角比に帰着し、加法定理と根号の分数評価だけで3.05を超えられる。採点上は、内接多角形の周長が円周より小さい向き、6 は下から評価し 2 は上から評価する向き、最後の 37/12>61/20 の分数比較を明確にすることが重要である。小数近似だけで済ませると証明として弱くなる。

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出典: 東京大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。