方針
一般角を単位円上の点の座標で定義する。角 の方向を向く単位ベクトルと、それを反時計回りに 回した単位ベクトルを基底に取り、そこから だけ回した方向を成分表示する。最後に標準座標の2成分を比較する。
解答
(1)
座標平面に、原点 を中心とする半径1の円をとる。正の 軸を始線とし、反時計回りを正の向き、時計回りを負の向きとする。
一般角 について、正の 軸から角 だけ回転した半直線と単位円との交点を とする。この点 の座標を とするとき と定義する。すなわち、一般角 の余弦は単位円上の対応する点の 座標、正弦は 座標である。この定義では、 が負の角や をこえる角であっても、対応する半直線と単位円の交点が一意に定まるので、、 が定義される。
(2)
角 に対応する単位円上の点の位置ベクトルを とする。これは角 の方向を向く長さ1のベクトルである。また、 を反時計回りに 回転したベクトルを とおく。 も長さ1で、 と垂直である。
角 の方向を新しい基準方向と見たとき、そこからさらに角 だけ回した方向の単位ベクトルは、(1)の定義により で表される。この方向は、もとの座標平面では角 の方向である。したがってである。
右辺を成分ごとに計算するとである。よって成分を比較して を得る。これは一般角 に対して成り立つ。
別解
解法2
方針
複素数平面上で、 を掛ける写像が長さを保ち、正の 軸を角 の方向へ移す回転であることを座標計算から確かめる。その写像を角 の単位ベクトルへ作用させ、実部と虚部を読む。
解答
(1)
原点 を中心とする単位円を取り、正の 軸を始線、反時計回りを正とする。角 の動径と単位円との交点を とするときと定める。
(2)
複素数 を考える。任意の に対しである。この写像はより長さを保つ。また を へ移し、行列式に相当する向きも正なので、平面を反時計回りに角 だけ回す写像である。
ここで とすれば、 は角 の単位ベクトルを表す。一方、である。単位円上の点の実部・虚部を比較してを得る。
総評
定義から公式を再構成する論証問題である。正の回転方向、単位円との交点、座標という定義を最初に明記することが核心になる。回転後の2成分を同時に比較すれば、正弦と余弦の符号を取り違えにくい。複素数解法でも、積の偏角を既知公式として使うと循環論法になるため、掛け算が回転であることを座標から確認した。