Evolton

東京大学 2001年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

複素数平面上の点a1,a2,,an,{a1=1,a2=i,an+2=an+1+an(n=1,2,)により定め,bn=an+1an(n=1,2,)とおく。
ただし,iは虚数単位である。

(1) 3点b1b2b3を通る円Cの中心と半径を求めよ。

(2) すべての点bn (n=1,2,)は円Cの周上にあることを示せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

複素数平面数列図形と方程式 漸化式の変形軌跡円の性質、実部虚部比較

方針

最初に b1,b2,b3 を直接計算し、3点を通る円を (xα)2+(yβ)2=R2 の形で求める。次に漸化式から bn+1=1+1/bn を導く。円を x2x+y2=1 と書き直し、z=x+yi がこの円上にあるなら 1+1/z も同じ式を満たすことを実部・虚部で確認する。

解答

(1)

漸化式から a1=1,a2=i,a3=1+i,a4=1+2i である。したがって b1=a2a1=i, b2=a3a2=1+ii=1i, b3=a4a3=1+2i1+i=(1+2i)(1i)2=32+12iである。

円の中心を (α,β)、半径を R とする。3点 (0,1)(1,1)(3/2,1/2) が円上にあるので α2+(1β)2=R2, (1α)2+(1β)2=R2, (32α)2+(12β)2=R2 である。第1式と第2式を引くと 2α4β=1 である。また、第1式と第3式を引くと 3αβ=32 である。これらを連立して β=0,α=12 を得る。よって R2=(012)2+12=54 である。

したがって円 C の中心は実数 1/2 を表す点、半径は 52 である。中心も合わせて書けば 中心 12,半径 52 である。

(2)

まず bn+1bn の関係を求める。定義と漸化式よりbn+1=an+2an+1=an+1+anan+1=1+anan+1=1+1bnである。

(1) で求めた円 C の方程式は (x12)2+y2=54 すなわち x2x+y2=1 である。

ここで z=x+yi が円 C 上にあるとする。この円は原点を通らないので z0 である。X+Yi=1+1/z とおくと1+1z=1+xyix2+y2=(1+xx2+y2)yx2+y2iだから X=1+xx2+y2,Y=yx2+y2 である。よってX2X+Y2=(1+xx2+y2)2(1+xx2+y2)+y2(x2+y2)2=xx2+y2+x2+y2(x2+y2)2=x+1x2+y2.一方、z が円 C 上にあるので x2x+y2=1 であり、これは x2+y2=x+1 を意味する。したがって X2X+Y2=1 である。つまり z が円 C 上にあるなら、1+1/z も円 C 上にある。

(1) より b1 は円 C 上にある。さらに bn+1=1+1bn であるから、上で示した性質を繰り返し用いれば、数学的帰納法によりすべての bn は円 C の周上にある。

別解

解法2(円の不変式を保つ)

方針

最初の3点から円を決める。
円を z2=Rez+1 と表し、
変換 z1+1/z がこの等式を保つことを絶対値だけで確認する。

解答

(1) b1=i,b2=1i,b3=32+12i.3点の垂直二等分線を求めると、円 C の中心は 1/2
半径は 5/2 である。したがって円の方程式はz122=54,すなわちz2=Rez+1.(2)

漸化式からbn+1=1+1bn.zC 上にあり、w=1+1/z とする。
C は原点を通らないので z0 である。w2Rew1=z+12z2(1+Rezz2)1=Rez+1z2z2=0.よって wC 上にある。
b1=iC 上にあるから、帰納法により
すべての bnC の周上にある。

総評

難度6、計算量5。前半の円の決定は標準的だが、後半では bn+1=1+1/bn に気づき、円の方程式をこの変換で保たれる形にするのが山場である。採点上は、円を x2x+y2=1 と書くこと、1+1/z の実部・虚部を出して同じ式に代入すること、最後に帰納法へつなぐことが必要である。bn を直接一般項で求めようとすると計算が重くなりやすい。目安は18分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、等号条件、範囲を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

冊子PDFで見る東大の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 2001年度 前期 数学 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。