Evolton

東京大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

次の2つの条件(a),(b)を同時に満たす複素数z全体の集合を複素数平面上に図示せよ。

(a) 2z2zの実部はいずれも整数である。

(b) z1である。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

複素数平面整数図形と方程式 実部虚部比較、場合分け、剰余分類、図形的解釈

方針

z=x+yi と置き、2つの実部を整数 m,n で表す。x=0 を先に分離し、x0 では z2=m/ny20 から正整数の有限個の組へ落とす。列挙した組を複素数平面上の点へ戻す。

解答

z=x+yi とおく。まず 2z=2x+2yi であるから、2z の実部が整数であることは 2x=m となる整数 m が存在することと同じである。

また、z0 であり 2z=2x+yi=2(xyi)x2+y2 だから、2/z の実部は 2xx2+y2 である。したがって、これが整数であることは 2xx2+y2=n となる整数 n が存在することと同じである。

まず m=0 の場合を考える。このとき x=0 であり、z=yi である。すると 2z の実部は0、2/z の実部も0である。条件 z1 より y1 である。したがって z=yi(y1) はすべて条件を満たす。

次に m0 とする。このとき x0 なので n0 である。2x=m より x=m2 であり、さらに x2+y2=2xn=mn である。左辺は正だから、m,n は同符号である。

ここで M=m,N=n とおくと z2=x2+y2=MN である。条件 z1 より MN1 すなわち NM である。また y2=MNM240 より MNM24 である。M>0 なので MN4 を得る。

したがって、NM かつ MN4 を満たす正整数の組 (M,N) を列挙すると (1,1), (2,1), (2,2), (3,1), (4,1) である。

それぞれを点に戻す。 (M,N)=(1,1) のとき x=±12,z2=1,y2=114=34 なので z=±12±32i である。 (M,N)=(2,1) のとき x=±1,z2=2,y2=1 なので z=±1±i である。 (M,N)=(2,2) のとき x=±1,z2=1,y=0 なので z=±1 である。 (M,N)=(3,1) のとき x=±32,z2=3,y2=394=34 なので z=±32±32i である。 (M,N)=(4,1) のとき x=±2,z2=4,y=0 なので z=±2 である。

以上より、求める集合は {yiy1} と、次の16個の点 ±2,±1,±1±i, ±12±32i,±32±32i との和集合である。ただし、± はそれぞれ可能な符号をすべてとる。

別解

解法2

方針

z=reiθ と極形式で捉え、実部の整数条件を 2rcosθ=m2cosθ/r=n と置く。積と商から mn4mn を得て有限列挙し、m=0 の連続部分も忘れずに加える。

解答

z=reiθ と置く。ただし r=z1 である。実部の条件から、ある整数 m,n があって2rcosθ=m,2cosθr=nとなる。

m=0 なら cosθ=0 であり、求める点はz=yi(y1)である。

m0 なら n0 で、m,n は同符号である。2式の積と商からmn=4cos2θ,r2=mnを得る。M=m, N=n と置けばMN4,NMである。正整数の組は(M,N)=(1,1),(2,1),(2,2),(3,1),(4,1)に限られる。

各組について x=m/2y2=r2x2=M/NM2/4 を計算すると、離散部分は±2,±1,±1±i,±12±32i,±32±32iである。ここで同じ式中の2つの符号は独立に選ぶ。

したがって、求める集合は上の16点と2本の半直線{yiy1}との和集合である。

総評

連続な集合を問うように見えて、整数条件により2本の半直線と16個の孤立点へ離散化される。x=0 を先に処理しないと、m/n を作る段階で解を失う。孤立点は実部の符号と虚部の符号を独立に数え、合計16点になることを確認する。図では境界 y=1 も含む。

冊子PDFで見る東大の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 1999年度 前期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。