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東京大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

複素数zn (n=1,2,)z1=1zn+1=(3+4i)zn+1によって定める。
ただしiは虚数単位であり,また,複素数z=x+iy(xyは実数)に対して,zz=x2+y2で定義する。

(1) すべての自然数nについて35n14<zn<5n4が成り立つことを示せ。

(2) 実数r>0に対して,znrを満たすznの個数をf(r)とおく。
このとき,limr+f(r)logrを求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

複素数平面数列指数・対数 漸化式の変形、範囲評価、極限計算、計算整理

方針

一次漸化式を等比数列の和として解き、zn=((3+4i)n1)/(2+4i) を得る。三角不等式で分子を 5n15n+1 の間に挟み、指定された評価へ整える。(2)はその評価を対数へ移して個数を挟む。

解答

(1) a=3+4i とおく。漸化式は zn+1=azn+1,z1=1 であるから、帰納的に zn=1+a+a2++an1 である。したがって zn=an1a1 である。

ここで a=3+4i=5,a1=2+4i=25 だから zn=an125 である。

まず下から評価する。三角不等式より an1an1=5n1 である。よって zn5n125 である。これが 35n14 より大きいことを確認する。両辺を正の数で割り、整理すると 5n125>35n142(5n1)>355n1 と同値である。n=1 では 8>35 であり成り立つ。一般に左辺を 5n1 で割ると 102/5n18>35 なので、全ての n1 で成り立つ。したがって 35n14<zn である。

次に上から評価する。三角不等式より an1an+1=5n+1 である。したがって zn5n+125 である。 n=1 では z1=1 だから z1=1<54 である。n2 では 2+25n2+225<5 であるから 5n+125<5n4 が成り立つ。よって zn<5n4 である。以上より、すべての自然数 n について 35n14<zn<5n4 が示された。

(2)
(1)より、znr なら 35n14<r である。したがって 5n1<4r3 より n<1+log(4r/3)log5 である。よって f(r) はこの右辺をこえることはない。

一方、5n4r ならば、(1)より zn<r である。したがって nlog(4r)log5 を満たす自然数 n はすべて f(r) に数えられる。

以上から、f(r)logrlog5 と高々定数差しかない。すなわち、ある定数 C が存在して、十分大きい r に対して f(r)logrlog5C である。両辺を logr で割り、r+ とすると定数差は消えるので limr+f(r)logr=1log5 である。

別解

解法2

方針

漸化式の固定点を引いて同次化する。さらに 3+4i=5(cosθ+isinθ) と置き、zn2cosnθ を含む実数式で表す。余弦の範囲から同じ指数評価を得て、対数スケールで個数を数える。

解答

a=3+4i=5(cosθ+isinθ) と置く。漸化式の固定点 ww=aw+1,w=1a1を満たす。従ってzn+1w=a(znw)であり、zn=an1a1を得る。

(1)
a12=20 だからzn2=an1220=52n25ncosnθ+120.1cosnθ1 より(5n1)220zn2(5n+1)220.正の平方根を取り、102/5n18>35 を用いると5n125>35n14.上側は n=1 を直接確認し、n2 では2(1+15n)5225<5より5n+125<5n4.従って指定の不等式が成り立つ。

(2)
5n/4r なら znr であり、znr なら35n14<rである。よって十分大きい r に対しlog(4r)log5f(r)1+log(4r/3)log5.両端を logr で割って r+ とすれば、はさみうちによりlimr+f(r)logr=1log5.

総評

漸化式の大きさはほぼ 5n であり、厳密な定数倍評価から個数の対数漸近を引き出す問題である。不等式の端点 n=1 は上側評価だけ別確認が必要になる。対数の底は自然対数だが、比の結論は 1/log5 である。床関数による誤差は高々定数なので極限に影響しない。

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出典: 東京大学 1999年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。