方針
(1) は複素数のまま、 を点 の表す複素数として を計算すると、偏角が一定であることが分かる。これは から見た の方向の差を表す。(2)は として分母を有理化し、 を の関数にして最大化する。長さそのものではなく2乗を最大化すればよい。
解答
点 の表す複素数を とおく。
(1) の表す複素数は6、 の表す複素数は である。 から , へ向かうベクトルは、複素数でそれぞれ と表される。したがって、2つの向きの差は比 の偏角で分かる。
まず通分して整理する。分母を とおくと である。分子は だから である。同様に であり、分子は である。よって である。
したがって である。ここで だから である。 なので、この比の偏角は である。したがって2つの半直線 , のなす角は である。
(2) とおく。分母を有理化すると である。したがってである。ここで である。
したがってである。 の最大化は の最大化と同じなので とおく。
微分すると である。分母は常に正だから、 の符号は で決まる。よってである。
またであり、 である。したがって最大値は で生じる。よって求める は である。
別解。(1)は実座標に直しても確認できる。上の を用いると であり、内積は である。また、2つのベクトルで作る平行四辺形の面積に対応する量も である。どちらも正なので であり、 から同じく を得る。
別解
解法2(円の軌跡として距離を最大化)
方針
複素数の比から が一定であることを確認した後、
点 の軌跡を円として同定する。原点から円上の点までの最大距離を
中心と半径だけで求め、対応する を代入で決める。
解答
(1)
点 の複素数を とする。直接整理すると だから右辺の偏角は である。したがって(2)
なので弦 を円周角 で見る円の半径 はより である。弦の中点は であり、
この弦に対応する2円の中心は と である。
のとき となるので、実際の軌跡を含む円はである。中心 は を満たすから、
円上で が最大になる点は半直線 上の遠い方の点であり、最大距離は である。
一方、パラメータ表示を実部・虚部に分けると を代入すると、たとえば からとなり、 を得る。したがって求める値は
総評
複素数平面の問題だが、(1)はベクトルのなす角、(2)は原点からの距離の最大化として処理すればよい。目安時間は18〜22分。(1)は複素数の比を使うと短いが、通分の符号ミスが起こりやすいので、実部・虚部に直した内積計算でも十分に安定する。(2)では ではなく を最大化すること、端の極限 , と臨界点 を比較することが採点上の要点である。