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東京大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

Oを原点とする複素数平面上で6を表す点をA7+7iを表す点をBとする。
ただし,iは虚数単位である。
正の実数tに対し,14(t3)(1i)t7を表す点Pをとる。

(1) APBを求めよ。

(2) 線分OPの長さが最大になるtを求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

複素数平面図形と方程式微分 実部虚部比較、軌跡内積の利用微分による最大最小

方針

(1) は複素数のまま、z を点 P の表す複素数として (6z)/(7+7iz) を計算すると、偏角が一定であることが分かる。これは P から見た A,B の方向の差を表す。(2)は z=x+yi として分母を有理化し、OP2=x2+y2t の関数にして最大化する。長さそのものではなく2乗を最大化すればよい。

解答

P の表す複素数を z=14(t3)(1i)t7 とおく。

(1) A の表す複素数は6、B の表す複素数は 7+7i である。P から A, B へ向かうベクトルは、複素数でそれぞれ 6z,7+7iz と表される。したがって、2つの向きの差は比 6z7+7iz の偏角で分かる。

まず通分して整理する。分母を D0=(1i)t7 とおくと 6z=614(t3)D0=6D014(t3)D0 である。分子は 6{(1i)t7}14(t3)=6t6it4214t+42=2t(4+3i) だから 6z=2t(4+3i)D0 である。同様に 7+7iz=(7+7i)D014(t3)D0 であり、分子は (7+7i){(1i)t7}14(t3) =14t4949i14t+42=7(1+7i) である。よって 7+7iz=7(1+7i)D0 である。

したがって 6z7+7iz=2t(4+3i)7(1+7i) である。ここで 2(4+3i)1+7i=1i だから 6z7+7iz=t7(1i) である。t>0 なので、この比の偏角は π/4 である。したがって2つの半直線 PA, PB のなす角は APB=π4 である。

(2) z=x+yi とおく。分母を有理化すると z=14(t3){(t7)+it}(t7)2+t2 である。したがってx=14(t7)(t3)2t214t+49,y=14t(t3)2t214t+49である。ここで D=2t214t+49=(t7)2+t2>0 である。

したがってOP2=x2+y2=196(t3)2{(t7)2+t2}D2=196(t3)2Dである。OP の最大化は OP2 の最大化と同じなので R(t)=196(t3)22t214t+49 とおく。

微分すると R(t)=392(t3)(28t)(2t214t+49)2 である。分母は常に正だから、R(t) の符号は (t3)(28t) で決まる。よって0<t<3 で R(t)<0,3<t<28 で R(t)>0,28<t で R(t)<0である。

またlimt+0R(t)=196949=36,limtR(t)=98であり、R(28)=19625222821428+49=100 である。したがって最大値は t=28 で生じる。よって求める tt=28 である。

別解。(1)は実座標に直しても確認できる。上の x,y を用いると PA=(6x,y),PB=(7x,7y) であり、内積は PAPB=350t2t214t+49 である。また、2つのベクトルで作る平行四辺形の面積に対応する量も (6x)(7y)(y)(7x)=350t2t214t+49 である。どちらも正なので 0<APB<π/2 であり、tanAPB=1 から同じく APB=π/4 を得る。

別解

解法2(円の軌跡として距離を最大化)

方針

複素数の比から APB が一定であることを確認した後、
P の軌跡を円として同定する。原点から円上の点までの最大距離を
中心と半径だけで求め、対応する t を代入で決める。

解答

(1)
P の複素数を z とする。直接整理すると6z7+7iz=t7(1i).t>0 だから右辺の偏角は π/4 である。したがってAPB=π4.(2)
A=(6,0), B=(7,7) なのでAB=52.AB を円周角 π/4 で見る円の半径 R52=2Rsinπ4より R=5 である。弦の中点は (13/2,7/2) であり、
この弦に対応する2円の中心は (3,4)(10,3) である。

t=3 のとき P=O=(0,0) となるので、実際の軌跡を含む円は(x3)2+(y4)2=25である。中心 C=(3,4)OC=5 を満たすから、
円上で OP が最大になる点は半直線 OC 上の遠い方の点P=(6,8)であり、最大距離は 10 である。

一方、パラメータ表示を実部・虚部に分けるとx=14(t7)(t3)2t214t+49,y=14t(t3)2t214t+49.P=(6,8) を代入すると、たとえば y/x=4/3 からtt7=43となり、t=28 を得る。したがって求める値はt=28.

総評

複素数平面の問題だが、(1)はベクトルのなす角、(2)は原点からの距離の最大化として処理すればよい。目安時間は18〜22分。(1)は複素数の比を使うと短いが、通分の符号ミスが起こりやすいので、実部・虚部に直した内積計算でも十分に安定する。(2)では OP ではなく OP2 を最大化すること、端の極限 t+0, t と臨界点 t=28 を比較することが採点上の要点である。

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出典: 東京大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。