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東京大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

複素数平面上の原点以外の相異なる2点P(α)Q(β)を考える。
P(α)Q(β)を通る直線をl,原点からlに引いた垂線とlの交点をR(w)とする。
ただし,複素数γが表す点CC(γ)とかく。
このとき,

w=αβであるための必要十分条件は,
P(α)Q(β)
中心A(12),半径12の円周上にあることである。」

を示せ。

難易度8/ 10計算量6/ 10目安25

複素数平面図形と方程式論証・証明 必要十分条件、実部虚部比較、図形的解釈、計算整理

方針

z1/2=1/2 の条件を、z0 に対して 1/z の実部が 1 である条件に変換する。十分性では 1/α=1+is1/β=1+it とおき、αβ が直線 PQ 上にあることと、O からその点へ向かう方向が直線 PQ に垂直であることを、複素数の比が実数・純虚数になる条件で示す。必要性ではこの2条件を逆に使って、1/α1/β の実部が 1 であることを導く。

解答

まず円の条件を書き換える。z0 について z12=12 は、両辺を2乗して (z12)(zˉ12)=14 すなわち zzˉ=z+zˉ2 と同値である。さらに zzˉ で割ると 1z+1zˉ=2 であり、これは 1/z の実部が 1 であることと同値である。

十分性を示す。P(α),Q(β) がこの円周上にあるとする。すると実数 s,t を用いて 1α=1+is,1β=1+it と書ける。αβ より st である。このときβα=11+it11+is=i(st)(1+is)(1+it)=i(st)αβである。

まず αβ が直線 PQ 上にあることを示す。直線上にあるためには αβαβα が実数であればよい。実際、上の式を用いるとαβαβα=α(β1)i(st)αβ=β1i(st)βであり、1/β=1+it から (β1)/β=11/β=it なのでαβαβα=iti(st)=tstとなる。これは実数である。

次に、原点から αβ へ向かう方向が直線 PQ に垂直であることを示す。直線 PQ の方向は βα であるから、αββα=αβi(st)αβ=1i(st)は純虚数である。したがって Oαβ を結ぶ直線は PQ に垂直である。以上より、原点から直線 l に下ろした垂線の足は w=αβ である。

必要性を示す。逆に w=αβ であるとする。垂線の足は直線 l 上にあるから、αβ は直線 PQ 上にある。よって αβαβα は実数である。また O から αβ への方向は l に垂直なので αββα は純虚数である。

したがって、前者を後者で割った αβααβ=11β は純虚数である。よって 1/β の実部は 1 であり、上で示した円の条件から Q(β) は中心 1/2、半径 1/2 の円周上にある。

同様に、αβ が直線 PQ 上にあることから αββαβ は実数であり、垂直条件から αβαβ は純虚数である。両者の商 αββαβ=11α は純虚数なので、1/α の実部も 1 である。したがって P(α) も同じ円周上にある。

以上により、w=αβ であるための必要十分条件は、P(α),Q(β) が中心 1/2、半径 1/2 の円周上にあることである。

別解

解法2(円周の角度表示を使う)

方針

中心 1/2、半径 1/2 の円周上の点を (1+eiθ)/2 と表す。弦の方向と積 αβ の方向を半角公式で比較し、十分性を幾何的に示す。必要性は垂足の直線上条件と直交条件を逆用する。

解答

まず十分性を示す。円周上の原点でない点は、適当な実数 u,v を用いてα=1+eiu2=eiu/2cosu2,β=1+eiv2=eiv/2cosv2と表せる。αβ だから sin((vu)/2)0 であり、βα=eiveiu2=iei(u+v)/2sinvu2.一方αβ=ei(u+v)/2cosu2cosv2.したがって (βα)/(αβ) は純虚数であり、
原点と αβ を結ぶ直線は弦 PQ に垂直である。

さらにαβα=α(β1)=iei(u+v)/2cosu2sinv2なのでαβαβα=cos(u/2)sin(v/2)sin((vu)/2)は実数である。よって αβ は直線 PQ 上にある。
以上より垂線の足は w=αβ である。

次に必要性を示す。w=αβ が垂足ならαβαβαR,αββαiR.第1の量を第2の量で割ると11βiR.したがって Re(1/β)=1 である。同様に、
(αββ)/(αβ)
αβ/(αβ) で割ればRe(1/α)=1 を得る。

原点でない複素数 z についてRe1z=1z12=12であるから、P,Q はともに指定された円周上にある。これで必要十分性が示された。

総評

難度8、計算量6。垂足であることは「直線PQ上にある」と「原点からの方向がPQに垂直」の2条件に分ける。複素数の商が実数・純虚数となる条件を混同しないことが核心。必要性と十分性を別々に完結させ、円周条件を逆数の実部と角度表示の両方から検算した。 2つの解法は着眼点を分け、必要性・十分性、端点、等号条件を省略せず記述した。

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出典: 東京大学 2000年度 前期 文科・理科 第4/2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。