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東京大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

スイッチを1回押すごとに,赤,青,黄,白のいずれかの色の玉が1個,
等確率14で出てくる機械がある。
2つの箱LRを用意する。次の3種類の操作を考える。

(A) 1回スイッチを押し,出てきた玉をLに入れる。

(B) 1回スイッチを押し,出てきた玉をRに入れる。

(C) 1回スイッチを押し,出てきた玉と同じ色の玉が,
Lになければその玉をLに入れ,Lにあればその玉をRに入れる。

(1) LRは空であるとする。
操作(A)を5回おこない,さらに操作(B)を5回おこなう。
このときLにもRにも4色すべての玉が入っている確率P1を求めよ。

(2) LRは空であるとする。
操作(C)を5回おこなう。
このときLに4色すべての玉が入っている確率P2を求めよ。

(3) LRは空であるとする。
操作(C)を10回おこなう。
このときLにもRにも4色すべての玉が入っている確率をP3とする。
P3P1を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

確率場合の数 数え上げ、場合分け、独立性の利用

方針

各操作列は色の列として数える。5回で4色すべてが出る条件は,1色だけが2回,他の3色が1回ずつ出ることである。(1)はL側5回とR側5回が独立に同じ条件を満たす確率にする。(2)は操作(C)では各色の初出がLに入るので,Lに4色そろうことと5回の色列に4色すべてが現れることが同値である。(3)は操作(C)でRにも4色そろう条件を,各色が10回中少なくとも2回出る条件に読み替え,出現回数の型(4,2,2,2)(3,3,2,2)を数える。

解答

(1)

5回の操作で4色すべてが出る場合を数える。5個の玉で4色がすべて現れるためには,ある1色が2回出て,残り3色が1回ずつ出るしかない。

2回出る色の選び方は4通りである。その色が出る2か所を含めて5回の並べ方は 5!2! 通りである。したがって,5回で4色すべてが出る色列は 45!2!=240 通りである。全体の色列は45通りなので,5回で4色すべてが出る確率は 24045=1564 である。

操作(A)の5回でLに4色すべてが入り,操作(B)の5回でRに4色すべてが入ればよい。2つの5回の色列は独立であるから P1=(1564)2=2254096 である。

(2)

操作(C)では,ある色が初めて出たときはその玉がLに入る。同じ色がすでにLにある場合だけRに入る。したがって,5回の操作後にLに4色すべてが入っていることは,5回の色列に4色すべてが現れることと同値である。

よって(1)で数えた確率そのものになり P2=1564 である。

(3)

操作(C)でLにもRにも4色すべてが入るには,各色について,少なくとも1回目の出現がLに入り,さらに2回目以降の出現がRに入る必要がある。したがって10回の色列の中で,各色が少なくとも2回ずつ出ることが必要十分条件である。

10回を4色に分け,各色が少なくとも2回出るとき,出現回数の型は (4,2,2,2),(3,3,2,2) の2種類だけである。

(4,2,2,2)では,4回出る色の選び方が4通りあり,その後の並べ方は 10!4!2!2!2! 通りである。したがって 410!4!2!2!2!=75600 通りである。

(3,3,2,2)では,3回出る2色の選び方が4C2通りあり,並べ方は 10!3!3!2!2! 通りである。したがって 4C210!3!3!2!2!=151200 通りである。

よって P3=75600+151200410=226800410 である。一方 P1=(24045)2=2402410 であるからP3P1=2268002402=22680057600=6316である。

別解

解法2(包除原理)

方針

(1) (2)は5回の色列で4色すべてが現れる本数を包除原理で数える。(3)は「各色が2回以上」を、各色の出現回数が0回または1回である事象の補集合として数える。重なりでは、指定した2色または3色がそれぞれ高々1回現れる列を、出現位置を選んで数える。

解答

(1)
5回の色列のうち4色すべてが現れる本数を N5 とする。
少なくとも1色が現れない列を包除原理で除くとN5=454C135+4C2254C315=1024972+1924=240.したがって、5回で4色がそろう確率はN545=2401024=1564.操作(A)の5回と操作(B)の5回は独立だからP1=(1564)2=2254096.(2) 
操作(C)では各色の最初の1個が必ず L に入る。
したがって、5回後に L に4色がそろうことは、5回の色列に4色すべてが
現れることと同値である。よってP2=N545=1564.(3) 
操作(C)の10回後に L,R の双方へ4色がそろうための必要十分条件は、
各色が2回以上現れることである。

i の出現回数が0回または1回である事象を Ai とする。
まず、1色を指定したときAi=310+10C139=310+1039.2色を指定し、その双方が高々1回現れる列は210+21029+10928本である。ここで3項は順に、指定2色の出現回数が
(0,0)(1,0) または (0,1)(1,1) の場合に対応する。

3色を指定し、それぞれが高々1回現れる列は1+310+3C2109+1098=1021本である。10個の位置に4色を各1回以下しか置かないことは不可能なので、
4事象の共通部分は空である。

したがって、再び包除原理により条件を満たす列の本数 N10N10=4104(310+1039)+6(210+2029+9028)41021=226800.よってP3=226800410.一方、(1)から P1=2402/410 であるからP3P1=2268002402=6316.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中5。目安時間は18分程度で、操作を色列の出現回数へ翻訳することが核心である。(1)(2)の5回では出現回数型 (2,1,1,1) を直接数えても、包除原理で欠ける色を除いてもよい。(3)では操作(C)の規則から、両箱に全色があることが「各色2回以上」と同値になる。直接法では (4,2,2,2)(3,3,2,2) の2型、別解では0回・1回の色を包除する。典型的な誤りは L,R の条件を独立とみなすことと、求める量がP3 ではなく P3/P1 であることを忘れることである。

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出典: 東京大学 2009年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。