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東京大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

座標平面において,媒介変数tを用いて{x=cos2t,y=tsint(0t2π)と表される曲線が囲む領域の面積を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

積分三角関数 面積計算、微積分の対称性、計算整理

方針

まず曲線の通過点と符号を確認し,0tπ が上側の閉曲線,πt2π が下側の閉曲線を作ることを押さえる。上側では同じ x 座標を与える2つの媒介変数 tπt を対応させると,縦の長さが (π2t)sint になる。下側でも π+t2πt を対応させると同じ縦の長さになるため,上下の面積は等しい。あとは x=cos2t から横幅 dx=4sintcostdt を用い,1変数積分で上側の面積を求めて2倍する。

解答

t=0,π,2π ではいずれも (x,y)=(1,0) である。また 0<t<π では sint>0 より y=tsint>0π<t<2π では sint<0 より y=tsint<0 である。したがって 0tπ の部分が上側の閉曲線,πt2π の部分が下側の閉曲線を作る。

まず上側の面積を求める。0tπ/2 に対して,tπt は同じ x 座標を与える。実際,cos2(πt)=cos2t である。この2点の y 座標は tsint,(πt)sint であるから,縦の長さは (πt)sinttsint=(π2t)sint である。

また,0tπ/2 では x=cos2t1 から 1 へ減少する。したがって横方向の微小幅は dx=dxdtdt=2sin2tdt=4sintcostdt である。よって上側の面積を A とすると、A=40π/2(π2t)sin2tcostdtである。

ここで d(sin3t)=3sin2tcostdt より,部分積分を用いてA=430π/2(π2t)d(sin3t)=43[(π2t)sin3t]0π/2+830π/2sin3tdt=830π/2sint(1cos2t)dt=83[cost+cos3t3]0π/2=8323=169.次に下側について確認する。0tπ/2 に対して π+t2πt は同じ x 座標を与え,それぞれの y 座標は (π+t)sint,(2πt)sint である。したがって縦の長さは (π+t)sint+(2πt)sint=(π2t)sint となり,上側と同じである。横幅も同じなので,下側の面積も 16/9 である。

よって曲線が囲む領域の面積の合計は 2A=2169=329 である。

曲線は (1,0) を共有する上下2つの閉曲線を描く。色は媒介変数の区間を示す。

別解

解法2(媒介変数の線積分)

方針

各閉曲線の符号付き面積を、媒介変数による線積分で求める。上側は 0tπ、下側は πt2π で閉じる。部分積分で端点項が消えることを確認し、両者の絶対値を加える。

解答

上側の閉曲線では 0tπ であり、ydx=0πtsint(2sin2t)dt=40πtsin2tcostdt=430πtd(sin3t)=430πsin3tdt=169.端点では sint=0 なので、部分積分の境界項は 0 である。

下側では πt2π だからydx=4π2πtsin2tcostdt=43π2πsin3tdt=169.符号が反対になるのは曲線を回る向きが反対だからであり、面積は絶対値を取る。よって囲まれる2領域の面積の合計は169+169=329である。

総評

媒介変数表示の面積問題だが,最初に曲線が上下2つの閉曲線を作ることを確認しないと,積分区間を誤りやすい。想定時間は18分前後,難易度は6,計算量は5程度。tπt を対応させる上側の縦割り,π+t2πt を対応させる下側の縦割りが本問の中心である。下側は y=tsint の係数 t が大きくなるため一見上側と非対称に見えるが,対応する2点の差は同じ (π2t)sint になる。この確認を省くと「上下の面積が等しい」という主張が根拠不足になる。

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出典: 東京大学 2008年度 前期 理科 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。