方針
回転軸に垂直な断面で考える。直方体の断面は辺の長さ の長方形であり,それを1つの頂点のまわりに 回転した掃過面積を求めればよい。断面積は,長方形部分 と,対角線長を半径とする90度扇形部分 の和になる。値域は とおき, による の範囲と を使って上限を調べる。
解答
(1) 長さ の辺を回転軸としているので,この軸に垂直な断面を考える。各断面では,辺の長さが の長方形が,その1つの頂点を中心として 回転する。
この長方形の対角線の長さを とする。長方形が回転して通過する領域は,もとの長方形の面積 に加えて,対角線の先端が描く半径 ,中心角 の扇形部分を含む。断面の掃過領域の面積は である。
この断面が回転軸方向に長さ だけ続くので,求める体積は である。
(2) とおく。 で だから である。また なのでここで であるから である。したがって 関数 を考えると である。よって は で最大となり,その値は である。したがって である。また体積なので である。
上端と下端が実際に近づけられることも確認する。 を に近づけ,かつ の一方を0に近づければ, は0に近づき, は にいくらでも近づく。一方, を0に近づける,または を0に近づければ, は0にいくらでも近づく。領域 , は連結で, は連続に変化するから,その間の値もすべてとる。
よって体積のとりうる値の範囲は である。
回転軸に垂直な断面
長方形の掃過面積を求め、軸方向の長さ を掛ける。
別解
解法2(極角ごとの最大半径)
方針
回転軸に垂直な 長方形を極座標で見る。長方形の対角線がなす角を とし、90度の掃過後に各極角方向へ到達する最大半径を3区間に分けて面積積分する。
解答
(1) 回転軸を原点とする断面で、もとの長方形をとおく。対角線の長さを 、対角線の偏角を とすれば長方形を反時計回りに90度掃過した領域を、原点からの極角 で切る。各方向の最大半径は中央の区間では、回転中のどこかで長方形の対角線がその方向を向くため、半径 まで届く。
したがって断面積 はよって(2) とおくと かつ であり、したがって最後の等号候補は だが、その前の不等式で を用いたため上端は達成しない。一方、 または を0へ近づけつつ とすれば上端へ近づく。体積は常に正で、 なら0へ近づく。連続性も合わせてである。
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安時間は25分程度で、3次元の運動を回転軸に垂直な同一断面へ落とせるかが中心である。長方形の掃過面積は、幾何分解でも極角ごとの最大半径でも同じ式になる。
値域では が重要である。上限 は を要求するため達成せず、0も体積が正なので達成しない。両端へ近づく具体的な取り方と連続性まで述べて、単なる上界評価ではなく開区間全体が値域であることを示す。