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東京大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

aを正の実数とし,空間内の2つの円板

D1={(x,y,z)x2+y21, z=a}

D2={(x,y,z)x2+y21, z=a}

を考える。
D1y軸の回りに180回転してD2に重ねる。
ただし回転はz軸の正の部分をx軸の正の方向に傾ける向きとする。
この回転の間にD1が通る部分をEとする。
Eの体積をV(a)とし,E{(x,y,z)x0}との共通部分の体積をW(a)とする。

(1) W(a)を求めよ。

(2) limaV(a)を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

積分図形と方程式 体積計算定積分評価回転・拡大、範囲評価

方針

yを固定し,xz平面で円板の断面がどのような領域を掃くかを見る。ρ=1y2とすると,断面はz=a上の線分ρxρである。線分上の点は原点からの距離a2+u2を保ったまま半回転するので,半径ごとの角度幅で断面積を求める。x0側では各半径について角度幅がちょうどπとなり,半円環の面積になる。全体の体積は、点(u,a)と正のz軸のなす角をβ(u)とし、余分な角度2β(u)を評価し,aでその寄与が消えることを示す。

解答

(1)

yを固定して考える。y1のとき ρ=1y2 とおくと,円板D1yを固定した断面は,xz平面で ρxρ,z=a を満たす線分である。y>1では断面は空である。

線分上の点を(u,a)とする。ただしρuρである。この点はy軸のまわりの回転により,xz平面では原点を中心とする円弧を描き,原点からの距離 a2+u2 は変わらない。uuは同じ半径を与えるので,半径をaからa2+ρ2まで動かして考えればよい。

半径がr=a2+u2である部分について,x0側に現れる角度幅はちょうどπである。したがって,固定したyにおけるE{x0}の断面積は,半径aからa2+ρ2までの半円環の面積でπ2{(a2+ρ2)a2}=π2ρ2=π2(1y2)である。

これを1y1で積分してW(a)=11π2(1y2)dy=π2[yy33]11=2π3である。

(2)

同じくyを固定する。0uρとし,点(u,a)が正のz軸となす角をβ=β(u)とおく。このとき 0β(u)<π/2 かつ tanβ(u)=u/a である。半径a2+u2の円周上で,uuから出る半回転の弧を合わせると,角度幅は π+2β(u) になる。したがって,固定したyにおけるE全体の断面積をAy(a)とすると,半径方向の幅を用いて Ay(a)=0ρ(π+2β(u))udu と表せる。ここでuduは,半径r=a2+u2に対してrdr=uduとなることから出ている。

(1) の断面積は 0ρπudu=π2ρ2 であった。したがって余分な面積は Ay(a)π2ρ2=20ρuβ(u)du である。0β(u)<π/2 では β(u)tanβ(u)=u/a だから0Ay(a)π2ρ220ρuuadu=23aρ3である。ρ=1y21なので 0Ay(a)π2(1y2)23a である。

これを1y1で積分すると 0V(a)11π2(1y2)dy43a となる。右端はaで0に近づく。よってlimaV(a)=11π2(1y2)dy=2π3である。

\brackethead{y を固定した xz 断面}ρ=1y2。半径は a から
a2+ρ2 まで動く。

別解

解法2(断面積の厳密式)

方針

y を固定し、ρ=1y2 とする。半径 a2+u2 の円周上で掃かれる角度π+2β(u) を用いて断面積を厳密に積分する。ただし β(u)0β(u)<π/2tanβ(u)=u/a で定める。余分な断面積の式を得た後、一様な上界で極限を処理する。

解答

(1)
1y1 を固定し、ρ=1y2とおく。D1 の断面上の点 (u,a)(u,a)
(0uρ) は、同じ半径r=a2+u2の円周上を半回転する。x0 側では、2本の円弧の和集合が
ちょうど角度 π を覆う。したがって断面積はaa2+ρ2πrdr=π2ρ2.よってW(a)=11π2(1y2)dy=2π3.(2) 
(u,a) が正の z 軸となす角を β=β(u) とする。このとき0β(u)<π2,tanβ(u)=ua.(u,a)(u,a) から始まる半回転の円弧を
合わせると、半径 r=a2+u2 上で覆う角度はπ+2β(u)である。rdr=udu だから、固定した y での断面積 Ay(a)Ay(a)=0ρ(π+2β(u))udu.tanβ(u)=u/a を微分するとβ(u)=aa2+u2である。したがって部分積分によりuβ(u)du=a2+u22β(u)au2となるからAy(a)=π2ρ2+(a2+ρ2)β(ρ)aρ.極限を厳密に処理するため、積分表示へ戻る。
0β(u)<π/2 では β(u)tanβ(u)=u/a より0Ay(a)π2ρ2=20ρuβ(u)du2a0ρu2du=2ρ33a23a.これを 1y1 で積分すると0V(a)2π343a.はさみうちの原理によりlimaV(a)=2π3.

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安時間は25分前後で、回転する円板を直接立体として追わず、y を固定した xz 断面へ落とすのが核心である。ρ=1y2 とすると、x0 側は半径 a からa2+ρ2 までの半円環になる。(2)では、tanβ(u)=u/a で定めた角を用いると、全断面の角度幅がπ+2β(u) であり、半円環からの超過分をβ(u)tanβ(u)=u/a で一様に押さえる。別解では断面積の厳密式も計算し、極限値だけでなく有限の a で何が余るかを明示した。

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出典: 東京大学 2009年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。