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東京大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

(1) すべての自然数kに対して,次の不等式を示せ。12(k+1)<011xk+xdx<12k(2) m>nであるようなすべての自然数mnに対して,次の不等式を示せ。mn2(m+1)(n+1)<logmnk=n+1m1k<mn2mn

難易度5/ 10計算量4/ 10目安22

積分指数・対数方程式・不等式 定積分評価不等式評価和の計算、誘導利用

方針

(1)0<x<1k<k+x<k+1 が成り立つことを利用し,被積分関数を上下から挟んで積分する。(2) は log(m/n)k=nm1log((k+1)/k) に分解し,各項から 1/(k+1) を引く。すると (1) の積分が現れるので,評価を足し上げて,最後は部分分数で両端の和を計算する。

解答

(1) 自然数 k を固定する。0<x<1 では k<k+x<k+1 である。また 1x>0 だから,分母が大きいほど分数は小さくなり,1xk+1<1xk+x<1xk である。

これを 0 から 1 まで積分すると1k+101(1x)dx<011xk+xdx<1k01(1x)dxである。ここで 01(1x)dx=[xx22]01=12 なので 12(k+1)<011xk+xdx<12k である。

(2) まず1項ごとの形を作る。自然数 k について logk+1k=kk+1duu であり,u=k+x とおくと logk+1k=011k+xdx である。したがってlogk+1k1k+1=01(1k+x1k+1)dx.括弧内を通分すると 1k+x1k+1=1x(k+x)(k+1) だから logk+1k1k+1=1k+1011xk+xdx. (1) を用いると 12(k+1)2<logk+1k1k+1<12k(k+1) である。さらに 12(k+1)2>12(k+1)(k+2) なので,やや弱めて12(k+1)(k+2)<logk+1k1k+1<12k(k+1)を得る。

これを k=n,n+1,,m1 について足す。中央はk=nm1logk+1kk=nm11k+1=logmnk=n+1m1kである。

したがってk=nm112(k+1)(k+2)<logmnk=n+1m1k<k=nm112k(k+1)である。両端の和を部分分数で計算するとk=nm112(k+1)(k+2)=12k=nm1(1k+11k+2)=12(1n+11m+1)であり,k=nm112k(k+1)=12k=nm1(1k1k+1)=12(1n1m)である。

よってmn2(m+1)(n+1)<logmnk=n+1m1k<mn2mnである。

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安時間は22分程度で、(1) の積分評価を、対数と調和和の1項ごとの差へ接続する誘導問題である。被積分関数の分母だけを kk+1 で挟むと、厳密不等式がすぐ得られる。

(2) では log(m/n)k=n から m1 までの和にし、差し引く項を 1/(k+1) にそろえる。下側だけ一段弱い評価へ直す理由と、望遠和の始点・終点を明記すれば、目標の分母 (m+1)(n+1)mn が自然に現れる。

冊子PDFで見る東大の積分の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。