方針
(1) は積分区間 を中心 ,半幅 の対称区間として見る。 と置き, と の項を組にすると,被積分関数は になる。これは で最小, に近づくほど大きくなるので,定数で上下から評価して積分する。(2)はを と に分け,それぞれ として(1)を適用し,最後に有理数と小数を比較する。
解答
(1) とおく。 なので,積分区間では であり,置換してとなる。正負の を組にするとである。 では である。したがって が,端点を除く区間で成り立つ。右端は である。これを で積分すると,厳密な不等式としてを得る。
(2)
まずと分ける。
(1) を に適用すると,区間 であるからすなわちである。
また,(1)を に適用すると,区間 であるからすなわちである。
2つを足して を得る。すなわち である。ここで は より成り立ち, は より成り立つ。したがって が示された。
は凸関数なので、中央の値が下側評価、端点を結ぶ弦が上側評価を与える。
別解
解法2(凸性と弦による評価)
方針
は正の範囲で狭義凸である。対称点 の平均から下側を、区間両端を結ぶ弦から上側を評価し、積分する。(2)は同じ2区間へ適用する。
解答
(1) とおくとであるから、 は狭義凸である。 では凸性よりなので一方、凸関数のグラフは区間両端を結ぶ弦より下にある。弦の積分は
台形の面積に等しいからよって(2) を 、 に分ける。
(1)へ順に を代入するとしたがって、 だからである。
総評
難度5,計算量4。誘導つきの積分評価で,中心 の左右を組にして を作ることが核心である。評価の不等号は端点だけでなく区間内部で厳密に成り立つため,積分後も厳密な不等式になる。(2)では を半幅 の2区間に分ける発想が重要で,最後の小数比較は有理数のまま確認すると安全である。15分程度で,計算よりも不等式の向きに注意したい。