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東京大学 2007年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

以下の問いに答えよ.

(1) 0<x<aをみたす実数xaに対し,次を示せ.2xa<axa+x1tdt<x(1a+x+1ax)(2) (1)を利用して,次を示せ.0.68<log2<0.71ただし,log2は2の自然対数を表す.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

積分指数・対数方程式・不等式 定積分評価不等式評価、誘導利用

方針

(1) は積分区間 [ax,a+x] を中心 a,半幅 x の対称区間として見る。t=a+u と置き,uu の項を組にすると,被積分関数は 1/(au)+1/(a+u)=2a/(a2u2) になる。これは u=0 で最小,u=x に近づくほど大きくなるので,定数で上下から評価して積分する。(2)はlog2=12dt/t[1,3/2][3/2,2] に分け,それぞれ (a,x)=(5/4,1/4),(7/4,1/4) として(1)を適用し,最後に有理数と小数を比較する。

解答

(1) t=a+u とおく。0<x<a なので,積分区間では t>0 であり,置換してaxa+x1tdt=xx1a+uduとなる。正負の u を組にするとxx1a+udu=0x(1au+1a+u)du=0x2aa2u2duである。 0u<x<a では a2x2<a2u2a2 である。したがって 2a<2aa2u2<2aa2x2 が,端点を除く区間で成り立つ。右端は 2aa2x2=1a+x+1ax である。これを 0ux で積分すると,厳密な不等式として2xa<axa+x1tdt<x(1a+x+1ax)を得る。

(2)

まずlog2=121tdt=13/21tdt+3/221tdtと分ける。

(1)a=5/4,x=1/4 に適用すると,区間 [ax,a+x]=[1,3/2] であるから2/45/4<13/21tdt<14(1+23)すなわち25<13/21tdt<512である。

また,(1)を a=7/4,x=1/4 に適用すると,区間 [ax,a+x]=[3/2,2] であるから2/47/4<3/221tdt<14(12+23)すなわち27<3/221tdt<724である。

2つを足して 25+27<log2<512+724 を得る。すなわち 2435<log2<1724 である。ここで 2435>0.682400>2380 より成り立ち,1724<0.711700<1704 より成り立つ。したがって 0.68<log2<0.71 が示された。

1/t は凸関数なので、中央の値が下側評価、端点を結ぶ弦が上側評価を与える。

別解

解法2(凸性と弦による評価)

方針

f(t)=1/t は正の範囲で狭義凸である。対称点 au,a+u の平均から下側を、区間両端を結ぶ弦から上側を評価し、積分する。(2)は同じ2区間へ適用する。

解答

(1) f(t)=1/t とおくとf(t)=2t3>0(t>0)であるから、f は狭義凸である。0<ux では凸性よりf(au)+f(a+u)2>f(a)なのでaxa+xf(t)dt=0x{f(au)+f(a+u)}du>2xa.一方、凸関数のグラフは区間両端を結ぶ弦より下にある。弦の積分は
台形の面積に等しいからaxa+xf(t)dt<2xf(ax)+f(a+x)2.よって2xa<axa+xdtt<x(1ax+1a+x).(2) [1,2][1,3/2][3/2,2] に分ける。
(1)へ順に (a,x)=(5/4,1/4),(7/4,1/4) を代入すると25<13/2dtt<512,27<3/22dtt<724.したがって2435<log2<1724.24/35>0.6817/24<0.71 だから0.68<log2<0.71である。

総評

難度5,計算量4。誘導つきの積分評価で,中心 a の左右を組にして 2a/(a2u2) を作ることが核心である。評価の不等号は端点だけでなく区間内部で厳密に成り立つため,積分後も厳密な不等式になる。(2)では [1,2] を半幅 1/4 の2区間に分ける発想が重要で,最後の小数比較は有理数のまま確認すると安全である。15分程度で,計算よりも不等式の向きに注意したい。

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出典: 東京大学 2007年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。