方針
条件(D)は、2つの辺ベクトル 、 が作る平行四辺形の面積が1であることなので、成分が整数かつ と言い換えられる。(1)は左から 、 をかけた行列を直接計算し、整数性と行列式の絶対値が保たれることを示す。(2)は から を得て、 を左からかける操作が右上成分を に変えることを使う。(3)は第1列だけを見て、 の符号に応じて または の絶対値を小さくする。
解答
(1)
4点 が作る平行四辺形の2つの辺ベクトルは である。したがってその面積は である。よって条件(D)は、成分が整数であり、かつ であることと同値である。 はである。直接計算するとであり、である。どちらも成分は整数である。
また であり、 である。したがってどちらの行列でも に対応する値は1のまま保たれる。よって と も条件(D)を満たす。
(2) とする。このとき条件(D)より である。 は整数なので である。
整数 に対してである。 なら を 回、 なら を 回左からかけることで が得られる。いまである。 なので と選べば は整数であり、 となる。したがってにできる。ここで はそれぞれ だから、得られる行列はのいずれかである。
(3) である。問題の不等式は第1列だけに関係するので、 と を比べればよい。
まず と が同符号のときを考える。このとき より である。したがって について となる。
次に と が異符号のときを考える。このとき である。したがって について となる。
以上より、、 の少なくともどちらか一方は を満たす。
総評
難度6、目安時間16分。旧課程の行列問題だが、実質は整数成分の行基本操作と面積保存である。条件(D)を に翻訳するところが入口で、以後は左から 、 をかけると第1行が第1行±第2行に変わることを追えばよい。(2)では が反復操作で実現できること、(3)では第1列の絶対値和だけを下げればよいことを明確に書くと、誘導の意図が伝わる。