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東京大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

座標平面上の2つの放物線

A:y=x2

B:y=x2+px+q

が点(1,1)で接している。ここで,pqは実数である。
さらに,tを正の実数とし,放物線Bx軸の正の向きに2t
y軸の正の向きにtだけ平行移動して得られる放物線をCとする。

(1) pqの値を求めよ。

(2) 放物線ACが囲む領域の面積をS(t)とする。
ただし,ACが領域を囲まないときはS(t)=0と定める。S(t)を求めよ。

(3) t>0におけるS(t)の最大値を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

図形と方程式積分関数 接線・法線面積計算微分による最大最小、場合分け

方針

(1) は接点を通る条件と接線の傾きが等しい条件からp,qを決める。(2)は放物線B(2t,t)だけ平行移動したCの式を出し,CAが正になる区間があるかを判別式で調べる。2つの放物線の差は下に凸ではなく上に凸の二次式なので,判別式が正のときだけ囲む領域ができる。面積は,根の間隔を使ってD3/2/24の形に整理する。(3)はt(52t)の最大化に帰着する。

解答

(1)
放物線B:y=x2+px+qが点(1,1)を通るので 1p+q=1 である。また,A:y=x2の導関数は2xであり,x=1での傾きは 2 である。Bの導関数は 2x+p なので,x=1での傾きは 2+p である。接しているから 2+p=2 であり,p=4 を得る。これを1p+q=1へ代入して 1+4+q=1 より q=2 である。

(2)
(1)より B:y=x24x2 である。これをx軸の正の向きに2ty軸の正の向きにtだけ平行移動する。移動後の放物線Cは,移動前の式にx2tytを代入して yt=(x2t)24(x2t)2 である。したがって C:y=x2+(4t4)x4t2+9t2 である。 ACの差を CA=2x2+(4t4)x4t2+9t2 とおく。2つの放物線が領域を囲むには,この二次式が異なる2つの実数解をもち,その間で正になる必要がある。判別式はD=(4t4)24(2)(4t2+9t2)=8t(52t)である。t>0なので,D>0となるのは 0<t<52 のときである。このときだけ囲む領域が存在し,それ以外ではS(t)=0である。 0<t<5/2とする。交点のx座標をα<βとすると,根の差は βα=D2 である。また CA=2(xα)(βx) なので,面積はS(t)=αβ2(xα)(βx)dx=(βα)33=D3/224である。D=8t(52t)を代入するとS(t)=124{8t(52t)}3/2=223{t(52t)}3/2である。

したがってS(t)={223{t(52t)}3/2(0<t<52),0(t52)である。

(3) 0<t<5/2においては,S(t)を最大にするには t(52t) を最大にすればよい。平方完成すると t(52t)=2(t54)2+258 であるから,最大は t=54 のときで,最大値は25/8である。

よってS(t)の最大値は 223(258)3/2=12524 である。

別解。
(2)の面積は,交点を直接求めて積分してもよい。ただし根の差だけを使うと,交点の座標を長く書かずに済む。差の二次式が2(xα)(βx)となることを確認すれば,標準積分αβ(xα)(βx)dx=(βα)3/6で処理できる。

別解

解法2

方針

(1) は接点での値と傾きからp,qを決める。(2)では交点の判別式や根を先に求めず,平行移動後のCAを頂点形式H2(xt+1)2へ平方完成する。高さH=t(52t)の正負で領域の有無を判定し,左右対称な積分で面積を出す。(3)はHを平方完成して最大化する。

解答

(1) 接点(1,1)を通る条件と傾きが等しい条件は1p+q=1,2+p=2.したがってp=4,q=2である。

(2) 平行移動後の放物線Cy=x2+(4t4)x4t2+9t2.よってCの値からAの値を引いて平方完成するとCA=2x2+4(t1)x4t2+9t2=t(52t)2{x(t1)}2.ここでH=t(52t)とおく。領域を囲むのはH>0,すなわち0<t<5/2のときに限る。このとき交点は中心x=t1から左右にH/2だけ離れている。u=x(t1)と置換してS(t)=H/2H/2(H2u2)du=223H3/2.したがってS(t)={223{t(52t)}3/2(0<t<5/2),0(t5/2).(3)H=t(52t)=2(t54)2+258だから,t=5/4で最大となる。よってmaxS(t)=223(258)3/2=12524.

総評

難度6,計算量6。目安時間は25分。接触条件,平行移動,面積計算が順に並ぶ標準的な構成だが,式が長いので各段階を分けて書く必要がある。特にCの式でx2tytを使う向きを誤りやすい。囲む領域があるのは判別式が正の0<t<5/2だけであり,端点では接するだけなので面積0である。面積は根の差から出すと計算量を抑えられるが,どちらが上の曲線かを確認して積分することが大切である。

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出典: 東京大学 2016年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。