方針
(1) は接点を通る条件と接線の傾きが等しい条件からp,qを決める。(2)は放物線Bを(2t,t)だけ平行移動したCの式を出し,C−Aが正になる区間があるかを判別式で調べる。2つの放物線の差は下に凸ではなく上に凸の二次式なので,判別式が正のときだけ囲む領域ができる。面積は,根の間隔を使ってD3/2/24の形に整理する。(3)はt(5−2t)の最大化に帰着する。
解答
(1)
放物線B:y=−x2+px+qが点(−1,1)を通るので −1−p+q=1 である。また,A:y=x2の導関数は2xであり,x=−1での傾きは −2 である。Bの導関数は −2x+p なので,x=−1での傾きは 2+p である。接しているから 2+p=−2 であり,p=−4 を得る。これを−1−p+q=1へ代入して −1+4+q=1 より q=−2 である。
(2)
(1)より B:y=−x2−4x−2 である。これをx軸の正の向きに2t,y軸の正の向きにtだけ平行移動する。移動後の放物線Cは,移動前の式にx−2t,y−tを代入して y−t=−(x−2t)2−4(x−2t)−2 である。したがって C:y=−x2+(4t−4)x−4t2+9t−2 である。 AとCの差を C−A=−2x2+(4t−4)x−4t2+9t−2 とおく。2つの放物線が領域を囲むには,この二次式が異なる2つの実数解をもち,その間で正になる必要がある。判別式はD=(4t−4)2−4(−2)(−4t2+9t−2)=8t(5−2t)である。t>0なので,D>0となるのは 0<t<25 のときである。このときだけ囲む領域が存在し,それ以外ではS(t)=0である。 0<t<5/2とする。交点のx座標をα<βとすると,根の差は β−α=2D である。また C−A=2(x−α)(β−x) なので,面積はS(t)=∫αβ2(x−α)(β−x)dx=3(β−α)3=24D3/2である。D=8t(5−2t)を代入するとS(t)=241{8t(5−2t)}3/2=322{t(5−2t)}3/2である。
したがってS(t)=⎩⎨⎧322{t(5−2t)}3/20(0<t<25),(t≧25)である。
(3) 0<t<5/2においては,S(t)を最大にするには t(5−2t) を最大にすればよい。平方完成すると t(5−2t)=−2(t−45)2+825 であるから,最大は t=45 のときで,最大値は25/8である。
よってS(t)の最大値は 322(825)3/2=24125 である。
別解。
(2)の面積は,交点を直接求めて積分してもよい。ただし根の差だけを使うと,交点の座標を長く書かずに済む。差の二次式が2(x−α)(β−x)となることを確認すれば,標準積分∫αβ(x−α)(β−x)dx=(β−α)3/6で処理できる。
別解
解法2
方針
(1) は接点での値と傾きからp,qを決める。(2)では交点の判別式や根を先に求めず,平行移動後のC−Aを頂点形式H−2(x−t+1)2へ平方完成する。高さH=t(5−2t)の正負で領域の有無を判定し,左右対称な積分で面積を出す。(3)はHを平方完成して最大化する。
解答
(1) 接点(−1,1)を通る条件と傾きが等しい条件は−1−p+q=1,2+p=−2.したがってp=−4,q=−2である。
(2) 平行移動後の放物線Cはy=−x2+(4t−4)x−4t2+9t−2.よってCの値からAの値を引いて平方完成するとC−A=−2x2+4(t−1)x−4t2+9t−2=t(5−2t)−2{x−(t−1)}2.ここでH=t(5−2t)とおく。領域を囲むのはH>0,すなわち0<t<5/2のときに限る。このとき交点は中心x=t−1から左右にH/2だけ離れている。u=x−(t−1)と置換してS(t)=∫−H/2H/2(H−2u2)du=322H3/2.したがってS(t)=⎩⎨⎧322{t(5−2t)}3/20(0<t<5/2),(t≧5/2).(3)H=t(5−2t)=−2(t−45)2+825だから,t=5/4で最大となる。よってmaxS(t)=322(825)3/2=24125.
総評
難度6,計算量6。目安時間は25分。接触条件,平行移動,面積計算が順に並ぶ標準的な構成だが,式が長いので各段階を分けて書く必要がある。特にCの式でx−2t,y−tを使う向きを誤りやすい。囲む領域があるのは判別式が正の0<t<5/2だけであり,端点では接するだけなので面積0である。面積は根の差から出すと計算量を抑えられるが,どちらが上の曲線かを確認して積分することが大切である。
冊子PDFで見る東大の図形と方程式の問題で問題集を作る
出典: 東京大学 2016年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。