方針
(1) は y/x を直接整理し、偏角が単調に減少することを得る。(2)は距離の二乗を微分する。(3)はまず表示積分で D の面積を求め、偏角 π/3 で最大半径をとることから、回転通過領域を D に最大半径の 90∘ 扇形を加えたものとして数える。
解答
(1)
−1<t≦1 では x(t)>0 であり、x(t)y(t)=31+t1−t.(1−t)/(1+t) はこの区間で単調に減少し、平方根も単調性を保つ。したがって y(t)/x(t) は単調に減少する。
(2)
距離の二乗を F(t)=f(t)2 とするとF(t)=(1+t)3+9(1+t)2(1−t)=2(1+t)2(5−4t).よってF′(t)=12(1+t)(1−2t).したがって f(t) は−1≦t≦21で増加し、21≦t≦1で減少する。最大値は t=1/2 でf(21)=227=236.(3)
(1) より、P の偏角は π/2 から0まで単調に減少する。したがって D は、各方向について原点から C までの線分を集めた星形領域である。
まず D の面積を求める。dtdx=231+tだからSD=∫−11y(t)dtdxdt=29∫−11(1+t)3/2(1−t)1/2dt.t=2u−1、さらに u=sin2ϕ とおくと∫−11(1+t)3/2(1−t)1/2dt=16∫0π/2sin4ϕcos2ϕdϕ=2π.よってSD=49π.最大半径はR=236.t=1/2 のときxy=3だから、その偏角は π/3 である。
原点から見た方向を φ とする。時計回りに π/2 回す間に、−π/6≦φ≦π/3 では最大半径 R の点がその方向まで到達する。両側の方向では、もとの D の半径分布が重複なく移る。したがって通過領域の面積は、D の面積に半径 R、中心角 π/2 の扇形を加えたものになる。S=SD+21R2⋅2π=49π+21⋅227⋅2π=845π.
別解
解法2(三角置換で軌跡を表示する方法)
方針
t=cos2ϕ とおき、軌跡を x=22cos3ϕ, y=62sinϕcos2ϕ と表示する。面積は三角関数の定積分で計算し、半径の増減と偏角の単調性から回転後の半径包絡を3つの角度区間に分ける。
解答
(1)
比の二乗をとると(x(t)y(t))2=91+t1−t.右辺の導関数は−(1+t)218<0であり、y/x≧0 だから y/x 自身も単調に減少する。
(2) f(t)2=2(1+t)2(5−4t)を微分すればdtdf(t)2=12(1+t)(1−2t).よって t=1/2 までは増加、その後は減少し、maxf(t)=236.(3)
t=cos2ϕ とおくと 0≦ϕ≦π/2 でx=22cos3ϕ,y=62sinϕcos2ϕ.したがってSD=∫0π/262sinϕcos2ϕ⋅62sinϕcos2ϕdϕ=72∫0π/2sin2ϕcos4ϕdϕ.ここで∫0π/2sin2ϕcos4ϕdϕ=∫0π/2(cos4ϕ−cos6ϕ)dϕ=163π−325π=32π.よって SD=9π/4 である。
もとの偏角を θ とすると 0≦θ≦π/2 で、半径は θ=π/3 まで増加し、その後減少する。回転後の方向 φ ごとの最大半径は、−2π≦φ≦−6πでは D の 0≦θ≦π/3 の部分を −π/2 回したもの、−6π≦φ≦3πでは一定値 R=36/2、3π≦φ≦2πでは D の π/3≦θ≦π/2 の部分である。両端の2部分の面積を合わせるとちょうど SD になる。ゆえにS=SD+41πR2=49π+827π=845π.
総評
難度8、計算量8。想定時間は35分程度。(1)の偏角の単調性と、(2)の半径の単峰性を (3) で同時に使う。通過領域を回転前の領域のコピー4枚として足すと重複するため、方向ごとの最大半径を見る必要がある。最大半径の方向が π/3 で、そこから時計回りの π/2 区間に扇形が生じる。
冊子PDFで見る東大の微分の問題で問題集を作る
出典: 東京大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。