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東京大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

aを実数とし,座標平面上の点(0,a)を中心とする半径1の円の周をCとする。

(1) Cが,不等式y>x2の表す領域に含まれるようなaの範囲を求めよ。

(2) aは(1)で求めた範囲にあるとする。
Cのうちx0かつy<aを満たす部分をSとする。
S上の点Pに対し,点PでのCの接線が放物線y=x2によって切り取られてできる線分の長さをLPとする。
LQ=LRとなるS上の相異なる2点QRが存在するようなaの範囲を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

図形と方程式微分関数 接線・法線、パラメータ処理、微分による最大最小、範囲評価

方針

(1) は円全体が放物線の上側にある条件なので,円の下側の点 y=a1x2 が常に x2 より大きいことに直す。最大化は u=x2 で1変数化する。(2) は点 P=(u,av)u2+v2=1u0,v>0 とおき,接線と放物線の2交点の距離を v だけで表す。w=1/v と置換して w1 上の4次式 F(w) の増減を調べ,同じ長さを与える相異なる2点が存在する条件を導く。

解答

(1)
Cx2+(ya)2=1 である。固定した x に対し,円周上で最も y が小さい点は y=a1x2(1x1) である。したがって円周全体が y>x2 の表す領域に含まれるための条件は a1x2>x2(1x1) すなわち a>x2+1x2(1x1) である。 u=x2 とおくと 0u1 であり,調べる関数は F(u)=u+1u である。 F(u)=1121u より,F(u)=01u=12,u=34 のときである。端点とあわせてF(0)=1,F(1)=1,F(34)=34+12=54だから最大値は 5/4 である。よって必要十分条件は a>54 である。

(2) S 上の点を P=(u,av) とおく。ただし u2+v2=1,u0,v>0 である。円 C の点 P における半径方向ベクトルは (u,v) なので,接線は uxv(ya)=1 すなわち y=uvx+a1v である。

この接線と放物線 y=x2 の交点の x 座標は x2uvxa+1v=0 の2解である。この2解を x1,x2 とすると,判別式より (x1x2)2=(uv)2+4a4v である。また接線の傾きは u/v なので,線分の長さは LP2=(1+u2v2)(x1x2)2 である。ここで u2+v2=1 より 1+u2v2=u2+v2v2=1v2 だからLP2=1v2(u2v2+4a4v)=1v2(1v2v2+4a4v)=(4a1)v24v+1v4である。 w=1/v とおく。0<v1 より w1 であり,LP2=w2(w24w+4a1) となる。これを G(w) とおくと G(w)=2w(2w26w+4a1) である。w1 では 2w>0 なので,増減は H(w)=2w26w+4a1 の符号で決まる。

(1) より a>5/4 である。このとき H(1)=4a5>0 である。また H(w) は下に凸の2次式で,頂点は w=3/2 であり,H(32)=929+4a1=4a112 である。 a11/8 のとき,w1H(w)0 となるので,G(w) は単調増加であり,同じ値を相異なる2点でとらない。 5/4<a<11/8 のときは,H(1)>0 かつ H(3/2)<0 であるから,G(w) は一度増加し,その後減少し,再び増加する。したがって w1 の相異なる2つの値で同じ G(w) をとる。wS 上の点 P は1対1に対応するので,このとき LQ=LR となる相異なる2点が存在する。

よって求める範囲は 54<a<118 である。

別解

別解(円周の角度媒介と接線の傾き)

方針

円周を三角関数で媒介する。(1) は s=sinθ により円周上の x2y を平方完成する。(2) は下半円上の点を P=(cosθ,asinθ) と置き,接線と放物線の交点間距離を w=1/sinθ の関数として増減させる。

解答

(1)
円周上の点を(x,y)=(cosθ,a+sinθ)と表す。円周全体が y>x2 に含まれる条件は,すべての θ に対しa>cos2θsinθとなることである。s=sinθ (1s1) とおくとcos2θsinθ=1s2s=54(s+12)2.最大値は s=1/2 のとき 5/4 である。領域の不等号が厳密なのでa>54である。

(2)
S 上の点は一意にP=(cosθ,asinθ),0<θπ2と書ける。s=sinθ とおくと,点 P での接線はcosθxs(ya)=1.この直線と y=x2 の二交点の x 座標の差を判別式で求め,直線の傾きも掛けるとLP2=(4a1)s24s+1s4.ここで w=1/s とおくと 1w< で,Pw は1対1に対応する。よってLP2=G(w)=w2(w24w+4a1).微分するとG(w)=2w{2w26w+4a1}.中括弧内を H(w) とおく。a>5/4 より
H(1)=4a5>0 で,頂点 w=3/2 における値はH(32)=4a112.a11/8 なら H(w)0 (w1) であり,G は狭義単調増加となるので,同じ長さを与える異なる2点はない。これに対し54<a<118なら H(1)>0H(3/2)<0 である。したがって G は増加・減少・増加と変化し,極大値のすぐ下の値を相異なる2点でとる。ゆえに求める範囲は54<a<118である。

総評

目安時間は30分。(1) は円周全体に対する厳密不等号なので境界 a=5/4 を含まない。(2) は下半円の点を表す v または sinθ と点が1対1であること,接線と放物線の二交点間距離に傾きの倍率を掛けることが重要である。二つの媒介法で導関数の2次因子と境界 11/8 を確認した。

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出典: 東京大学 2023年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。