方針
まず積分を含む関数をそのまま微分する。積の微分で出る −sinx と、−cosx の微分で出る +sinx が打ち消し合い、f′(x)=(cosx−sinx)log(cosx) まで簡約される。log(cosx)<0 と cosx−sinx の符号から増減を決める。最小値は x=π/4 での値であり、残った定積分は部分積分と ∫sectdt=log(sect+tant) で具体的に評価する。
解答
(1) 0<x<2π で微分する。まず dxd{(cosx)log(cosx)}=−sinxlog(cosx)−sinx であり、またdxd(−cosx)=sinx,dxd∫0x(cost)log(cost)dt=(cosx)log(cosx)である。したがってf′(x)=−sinxlog(cosx)−sinx+sinx+(cosx)log(cosx)=(cosx−sinx)log(cosx)となる。 0<x<2π では 0<cosx<1 であるから log(cosx)<0 である。またcosx−sinx⎩⎨⎧>0=0<0(0<x<4π),(x=4π),(4π<x<2π)である。よってf′(x)<0(0<x<4π),f′(x)>0(4π<x<2π)である。
したがって f(x) は x=4π まで減少し、その後増加する。ゆえに区間 0≦x<2π において最小値を持ち、その最小点は x=4π である。
(2)
(1)より最小値は f(4π) である。まず定積分を計算する。部分積分により∫costlog(cost)dt=sintlog(cost)−∫sint⋅(−tant)dt=sintlog(cost)+∫costsin2tdt=sintlog(cost)+∫(sect−cost)dt=sintlog(cost)+log(sect+tant)−sintである。したがって∫0π/4costlog(cost)dt=22log22+log(2+1)−22.また cos4π=22 であるからf(4π)=22log22−22+∫0π/4costlog(cost)dt=2log22−2+log(2+1).ここで log22=log(2−1/2)=−21log2 なのでf(4π)=log(1+2)−2−22log2である。
よって求める最小値は log(1+2)−2−22log2 である。
別解
解法2
方針
増減は主解と同じ微分で決めるが、最小値に現れる定積分は u=sint と置き、log(1−u2)=log(1−u)+log(1+u) に分けて直接積分する。
解答
(1) f′(x)=(cosx−sinx)log(cosx).0<x<π/2 では log(cosx)<0 だから、f′ は 0<x<π/4 で負、π/4<x<π/2 で正である。よって x=π/4 で最小値をもつ。
(2) I=∫0π/4costlog(cost)dtで u=sint と置くとI=21∫01/2{log(1−u)+log(1+u)}du.原始関数は21{−(1−u)log(1−u)+(1+u)log(1+u)−2u}である。上下端を代入して整理するとI=21log21+log(1+2)−21.したがってf(4π)=21log21−21+I=log(1+2)−2−22log2.これが最小値である。
総評
微分で最小点を決め、非初等的に見える定積分を部分積分または u=sint で処理する問題。目安時間は12〜15分。駿台分析では年度内で最も易しい一方、得点分布は二極化した。『最小値をもつこと』への回答として導関数の符号を丁寧に書き、下端の評価と対数の整理を検算する。
冊子PDFで見る東大の微分の問題で問題集を作る
出典: 東京大学 2022年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。