Evolton

東京大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

次の関数f(x)を考える。f(x)=(cosx)log(cosx)cosx+0x(cost)log(cost)dt(0x<π2)(1) f(x)は区間0x<π2において最小値を持つことを示せ。

(2) f(x)の区間0x<π2における最小値を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

微分積分指数・対数三角関数 微分による最大最小増減表、部分積分、定積分評価

方針

まず積分を含む関数をそのまま微分する。積の微分で出る sinx と、cosx の微分で出る +sinx が打ち消し合い、f(x)=(cosxsinx)log(cosx) まで簡約される。log(cosx)<0cosxsinx の符号から増減を決める。最小値は x=π/4 での値であり、残った定積分は部分積分と sectdt=log(sect+tant) で具体的に評価する。

解答

(1) 0<x<π2 で微分する。まず ddx{(cosx)log(cosx)}=sinxlog(cosx)sinx であり、またddx(cosx)=sinx,ddx0x(cost)log(cost)dt=(cosx)log(cosx)である。したがってf(x)=sinxlog(cosx)sinx+sinx+(cosx)log(cosx)=(cosxsinx)log(cosx)となる。 0<x<π2 では 0<cosx<1 であるから log(cosx)<0 である。またcosxsinx{>0(0<x<π4),=0(x=π4),<0(π4<x<π2)である。よってf(x)<0(0<x<π4),f(x)>0(π4<x<π2)である。

したがって f(x)x=π4 まで減少し、その後増加する。ゆえに区間 0x<π2 において最小値を持ち、その最小点は x=π4 である。

(2)
(1)より最小値は f(π4) である。まず定積分を計算する。部分積分によりcostlog(cost)dt=sintlog(cost)sint(tant)dt=sintlog(cost)+sin2tcostdt=sintlog(cost)+(sectcost)dt=sintlog(cost)+log(sect+tant)sintである。したがって0π/4costlog(cost)dt=22log22+log(2+1)22.また cosπ4=22 であるからf(π4)=22log2222+0π/4costlog(cost)dt=2log222+log(2+1).ここで log22=log(21/2)=12log2 なのでf(π4)=log(1+2)222log2である。

よって求める最小値は log(1+2)222log2 である。

別解

解法2

方針

増減は主解と同じ微分で決めるが、最小値に現れる定積分は u=sint と置き、log(1u2)=log(1u)+log(1+u) に分けて直接積分する。

解答

(1) f(x)=(cosxsinx)log(cosx).0<x<π/2 では log(cosx)<0 だから、f0<x<π/4 で負、π/4<x<π/2 で正である。よって x=π/4 で最小値をもつ。

(2) I=0π/4costlog(cost)dtu=sint と置くとI=1201/2{log(1u)+log(1+u)}du.原始関数は12{(1u)log(1u)+(1+u)log(1+u)2u}である。上下端を代入して整理するとI=12log12+log(1+2)12.したがってf(π4)=12log1212+I=log(1+2)222log2.これが最小値である。

総評

微分で最小点を決め、非初等的に見える定積分を部分積分または u=sint で処理する問題。目安時間は12〜15分。駿台分析では年度内で最も易しい一方、得点分布は二極化した。『最小値をもつこと』への回答として導関数の符号を丁寧に書き、下端の評価と対数の整理を検算する。

冊子PDFで見る東大の微分の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 2022年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。