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東京大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

(1) 正の整数kに対し,Ak=kπ(k+1)πsin(x2)dxとおく。次の不等式が成り立つことを示せ。1(k+1)πAk1kπ(2) 正の整数nに対し,Bn=1nnπ2nπsin(x2)dxとおく。極限limnBnを求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

積分関数三角関数 置換積分、不等式評価、はさみうち、定積分評価

方針

(1)u=x2 と置換し,sinu の1周期分の積分が常に2になることを使う。係数 1/(2u) は区間 [kπ,(k+1)π] で単調に減少するので,両端で挟めばよい。(2) は積分区間を k=n,n+1,,2n1 に分割して(1)を足し合わせる。最後は左右の和を 1/n 倍の形に直し,1/x のリーマン和として極限を計算する。

解答

(1) u=x2 とおくと,du=2xdx=2udx である。したがって Ak=kπ(k+1)πsinu2udu となる。kπu(k+1)π では12(k+1)π12u12kπである。また,sinu の半周期2つ分の面積は kπ(k+1)πsinudu=2 である。よって12(k+1)πkπ(k+1)πsinuduAk12kπkπ(k+1)πsinuduとなるから 1(k+1)πAk1kπ が成り立つ。

(2)
積分区間を[nπ,(n+1)π],[(n+1)π,(n+2)π],,[(2n1)π,2nπ]に分けると Bn=1nk=n2n1Ak である。(1)より1nk=n2n11(k+1)πBn1nk=n2n11kπである。

右辺は 1π1nk=n2n11k/n である。これは区間 [1,2] を幅 1/n に分けたときの関数 1/x のリーマン和なので 1π12dxx に収束する。

左辺は 1π1nk=n2n11(k+1)/n であり,これは右端を使った同じリーマン和であるから,やはり同じ極限をもつ。したがってはさみうちの原理よりlimnBn=1π12x1/2dx=1π[2x]12=2(21)πである。

別解

別解(平方根差の望遠和ではさむ)

方針

(1) の上下界を足した二つの和の間に,2(k+1k) の望遠和を入れる。上下の和の差は端の2項だけになり0へ収束するため,リーマン和を使わず極限を求められる。

解答

(1)
u=x2 とおくとAk=kπ(k+1)πsinu2udu.区間上で 1/(2u) は減少し,kπ(k+1)πsinudu=2 だから1(k+1)πAk1kπ.(2)
(1) を k=n,,2n1 について足すとLnBnUn,ただしLn=1πnk=n2n11k+1,Un=1πnk=n2n11kである。一方1k+12(k+1k)1kであるから,これを足してLn2(2nn)πnUnを得る。中央はすべての n2(21)πに等しい。

さらに上下の差は望遠的にUnLn=1πnk=n2n1(1k1k+1)=1πn(1n12n)0.Bn と上の定数は同じ幅 [Ln,Un] に入るため,limnBn=2(21)πである。

総評

目安時間は15分。置換 u=x2 後の係数 1/(2u) と,sinu の長さ π ごとの積分が2であることが要点である。極限はリーマン和と平方根差の望遠和の2通りで同じ値を得た。添字 k=n から 2n1 と,上界・下界の k,k+1 を取り違えない。

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出典: 東京大学 2023年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。