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東京大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

座標空間内の4点O(0,0,0)A(2,0,0)B(1,1,1)C(1,2,3)を考える。

(1) OPOAOPOB
OPOC=1を満たす点Pの座標を求めよ。

(2)Pから直線ABに垂線を下ろし,その垂線と直線ABの交点をHとする。
OHOAOBを用いて表せ。

(3)QOQ=34OA+OP
より定め,Qを中心とする半径rの球面Sを考える。
Sが三角形OHBと共有点を持つようなrの範囲を求めよ。
ただし,三角形OHBは3点OHBを含む平面内にあり,周とその内部からなるものとする。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安22

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算内積の利用座標設定、範囲評価

方針

(1)P=(x,y,z) とおき,3本の内積条件を連立する。(2) は H=A+s(BA) とおいて,PHAB から s を決め,OA,OB の一次結合に戻す。(3) は球面が三角形 OHB と交わる条件を,中心 Q から三角形上の点までの距離の最小値・最大値の範囲として扱う。最小値は辺も含めて調べ,最大値は三角形の頂点で比較する。

解答

(1) P=(x,y,z) とおく。OA=(2,0,0),OB=(1,1,1),OC=(1,2,3)である。条件 OPOA より (x,y,z)(2,0,0)=2x=0 なので x=0 である。また OPOB より x+y+z=0 であり,OPOC=1 より x+2y+3z=1 である。x=0 を代入すると y+z=0,2y+3z=1 だから z=1,y=1 である。よって P=(0,1,1) である。

(2)
直線 AB 上の点を H=A+s(BA) とおく。A=(2,0,0)B=(1,1,1) より H=(2s,s,s) である。垂線の足なので PHAB,すなわち (PH)(BA)=0 が成り立つ。ここで PH=(s2,1s,1s),BA=(1,1,1) だから (PH)(BA)=(s2)+(1s)+(1s)=23s である。よって s=23 であり,H=(43,23,23) となる。

一方13OA+23OB=13(2,0,0)+23(1,1,1)=(43,23,23)であるからOH=13OA+23OBである。

(3)
定義よりQ=34A+P=(32,0,0)+(0,1,1)=(32,1,1)である。球面 S が三角形 OHB と共有点をもつためには,三角形 OHB 上の点 X に対して QX=r となるものが存在すればよい。三角形は連結なので,距離の最小値と最大値を求めればよい。ここで Q の平面 OAB への正射影は K=(3/2,0,0) である。点 K は辺 OH に関して頂点 B と反対側にあり,三角形の外部にある。したがって最短点は三角形の周上にある。

まず辺 OH 上の点を X=tH0t1 とおく。このとき X=(4t3,2t3,2t3) であり,QX2=(324t3)2+(12t3)2+(12t3)2=83t24t+174である。これは t=3/4 で最小となり,その値は 83916434+174=114 である。

OB 上では X=tB とおくと QX2=3t23t+174 であり,最小値は t=1/2 のとき 72 である。辺 HB 上では X=H+t(BH) とおくと QX2=13t2+t+3512 となり,0t1 では最小値は t=0 のとき 35/12 である。したがって三角形上での距離の最小値の2乗は 114 である。

次に最大値を調べる。固定点からの距離の2乗は各線分上で下に凸の2次関数である。したがって三角形上の最大値は頂点で比較すればよい。実際に QO2=174,QH2=3512,QB2=174 であるから,最大値の2乗は 174 である。

よって r が取りうる範囲は 114r174 すなわち 112r172 である。

別解

別解(平面への正射影で距離を分離する)

方針

O,A,B の張る平面を P とする。(1) の点 PP に垂直なので,Q=K+PK=3A/4 と直交分解できる。したがって XOHB に対し QX2=P2+KX2 となり,空間の問題を平面内での点と三角形の距離に落とせる。

解答

(1)
P=(x,y,z) とおく。三つの条件は2x=0,x+y+z=0,x+2y+3z=1である。これを解いてP=(0,1,1)を得る。

(2)
H=A+s(BA)=(2s,s,s) とおく。PHAB より(PH)(BA)=23s=0,したがって s=2/3 である。よってH=(43,23,23),OH=13OA+23OB.(3)
平面 OABP とし,K=3A/4=(3/2,0,0) とおく。(1)より PP であり,Q=K+P である。したがって P 上の任意の点 X に対してQX2=P2+KX2=2+KX2.K は三角形 OHB の辺 OH の外側にある。直線 OH への垂線の足はX=34Hで,これは線分 OH 上にある。実際KX2=K34H2=34.よって K から三角形までの最短距離の2乗は 3/4 であり,minQX2=2+34=114.一方,固定点からの距離の2乗は線分上で下に凸の2次関数なので,三角形上の最大値は頂点で比較すればよい。KO2=94,KH2=1112,KB2=94.したがってmaxQX2=2+94=174.三角形は連結で距離は連続だから,その間のすべての値をとる。ゆえに112r172である。

総評

目安時間は22分。(1)(2) の内積計算を(3)で再利用する構成である。直接3辺を調べる標準解法に加え,Q=K+P の直交分解により QX2=2+KX2 として平面問題へ落とした。最小値は辺 OH 上の垂足,最大値は頂点で達成され,連続性からその間の半径をすべて取る。

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出典: 東京大学 2023年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。