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東京大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

整式f(x)=(x1)2(x2)を考える。

(1) g(x)を実数を係数とする整式とし,g(x)f(x)で割った余りをr(x)とおく。
g(x)7f(x)で割った余りとr(x)7f(x)で割った余りが等しいことを示せ。

(2) abを実数とし,h(x)=x2+ax+bとおく。
h(x)7f(x)で割った余りをh1(x)とおき,h1(x)7f(x)で割った余りをh2(x)とおく。
h2(x)h(x)に等しくなるようなabの組をすべて求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安25

数と式方程式・不等式論証・証明 剰余分類、式変形、必要十分条件、場合分け

方針

(1)grf で割り切れることから,g7r7gr を因数にもつことを使う。(2) では f=(x1)2(x2) なので,余りは x=1 での値,x=1 での導関数の値,x=2 での値により一意に決まる。h(1),h(1),h(2)h1,h2 でどう変化するかを追い,h2=h の必要十分条件として整理する。

解答

(1) g(x)f(x) で割った余りが r(x) であるから,ある整式 q(x) を用いて g(x)=f(x)q(x)+r(x) と書ける。したがって g(x)r(x)=f(x)q(x) であり,g(x)r(x)f(x) で割り切れる。

一方,7乗の差はg(x)7r(x)7=(g(x)r(x)){g(x)6+g(x)5r(x)++g(x)r(x)5+r(x)6}と因数分解できる。右辺は g(x)r(x) を因数にもつので,f(x) で割り切れる。よって g(x)7r(x)7f(x) で割った余りが等しい。

(2) f(x)=(x1)2(x2) である。2次以下の整式 R(x) は,R(1)R(1)R(2) の3つで一意に定まる。したがって,f で割った余りを調べるにはこの3つを追えばよい。 A=h(1)=1+a+b,B=h(1)=2+a,C=h(2)=4+2a+b とおく。h1h7f で割った余りなので h1(1)=A7,h1(1)=7A6B,h1(2)=C7 である。さらに h2h17 の余りだからh2(1)=A49,h2(1)=7(h1(1))6h1(1)=49A48B,h2(2)=C49である。 h2(x)=h(x) となるための必要十分条件は A49=A,49A48B=B,C49=C である。実数 X に対して X49=XX(X481)=0 であり,48 は偶数なので,解は X=0,±1 である。したがって A,C{0,1,1} でなければならない。

また A=0,±1 のいずれの場合も,式 49A48B=B から B=0 が従う。実際,A=0 なら左辺は0なので B=0A=±1 なら 49B=B より B=0 である。よって B=2+a=0 すなわち a=2 である。

このとき A=h(1)=b1,C=h(2)=b である。A,C がともに 0,±1 のいずれかであるためには b{0,1,2}かつb{1,0,1} でなければならない。したがって b=0,1 である。

以上より求める組は (a,b)=(2,0),(2,1) である。

別解

別解(2次剰余を3成分の座標で表す)

方針

2次以下の整式 R(R(1),R(1),R(2)) という3成分で表す。この座標は整式を一意に決め,7乗して剰余を取る操作は (u,v,w)(u7,7u6v,w7) になる。写像を2回作用させた固定点条件を解く。

解答

(1)
g=fq+r と書けるから gr(modf) である。合同式は積について保たれるのでg7r7(modf).したがって両者を f で割った余りは等しい。

(2)
2次以下の整式 R に対してΦ(R)=(R(1),R(1),R(2))とおく。もし Φ(R)=(u,v,w) ならR(x)=u+v(x1)+(wuv)(x1)2と復元できるので,Φ は2次以下の整式を一意に定める。

R7f=(x1)2(x2) で割った余りを T(R) とする。値と導関数を代入すればΦ(T(R))=(u7,7u6v,w7).したがって2回作用させるとΦ(T2(R))=(u49,49u48v,w49).いまA=h(1)=1+a+b,B=h(1)=2+a,C=h(2)=4+2a+bとおく。h2=h の必要十分条件はA49=A,49A48B=B,C49=Cである。実数 X について X49=X の解は 0,1,1 だけである。さらに A=0,±1 のどの場合にも中央の式から B=0 となる。よってa=2.このとき A=b1C=b なのでb1{0,1,1},b{0,1,1}.両方を満たすのは b=0,1 である。逆にこの2値では上の三条件が成り立つので十分でもある。したがって(a,b)=(2,0),(2,1)である。

総評

目安時間は25分。重根 x=1 があるため,値だけでなく導関数も一致条件に必要である。因数分解による合同式と,剰余を (R(1),R(1),R(2)) の3成分で表す方法で検算した。必要条件を出したあと,b=0,1 が実際に三条件を満たすことまで確認して十分性を閉じる。

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出典: 東京大学 2023年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。