Evolton

東京大学 2024年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

座標空間内の点A(0,1,1)をとる。xy平面上の点P
次の条件(i),(ii),(iii)をすべて満たすとする。

(i) Pは原点Oと異なる。

(ii) AOP23π

(iii) OAPπ6

Pがとりうる範囲をxy平面上に図示せよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

ベクトル図形と方程式 座標設定内積の利用、範囲評価、図形的解釈

方針

P=(x,y,0)とおき,角度条件を空間ベクトルの内積で不等式に直す。条件(ii)ではcosAOP1/2からまずy0が必要になり,平方してyxを得る。条件(iii)ではcosOAP3/2を用い,条件(ii)で得たy0により分子が正であることを確認してから平方する。最後は,扇形状の領域yxと楕円3x2+(y1)23の共通部分から,角度が定義できない原点を除くと説明する。

解答

P=(x,y,0)とおく。条件(i)より (x,y)(0,0) である。

条件(ii)について OA=(0,1,1),OP=(x,y,0) であるから,cosAOP=OAOPOAOP=y2x2+y2である。条件(ii)は AOP2π3 なので,余弦の値について y2x2+y212 が成り立つ。右辺が負であるため,この不等式が成り立つにはy0でなければならない。そこで両辺を移項して y2x2+y212 とし,両辺が0以上であることを確認して平方する。すると y22(x2+y2)14 より 2y2x2+y2 すなわち y2x2 である。y0と合わせて yx を得る。

条件(iii)について AO=(0,1,1),AP=(x,y+1,1) である。したがってcosOAP=AOAPAOAP=y+22x2+(y+1)2+1である。条件(ii)からy0が分かっているので,y+2>0である。条件(iii)より y+22x2+(y+1)2+132 であり,両辺は正なので平方してよい。平方すると 2(y+2)23{x2+(y+1)2+1} である。これを整理すると 2(y2+4y+4)3x2+3(y2+2y+1)+3 すなわち 3x2+(y1)23 となる。

以上より,求める範囲は yx,3x2+(y1)23 を同時に満たすxy平面上の点全体から,原点Oを除いた部分である。図示すると,直線y=xy=xに挟まれた上向きの領域と,中心(0,1)の楕円 3x2+(y1)2=3 の内部との共通部分であり,境界は含む。ただし原点だけは条件(i)により除く。

したがって,求める範囲を実際に図示すると次の青色部分になる。

楕円と2直線の境界は含むが,原点だけは白丸で除外している。

総評

空間ベクトルの角条件を xy 平面上の不等式へ落とす図示問題。難度5,計算量5,想定時間18分。余弦不等式を平方する前に符号を確定することが最重要であり,(ii)から y0 を得ることで yx が同値に導ける。(iii)は楕円内部となり,境界を含む一方で原点だけを除く。

【出典確認】 東京大学公式「令和6年度前期日程第2次学力試験・理科数学」PDF第4ページを原寸画像で照合し,A=(0,1,1),2つの角度条件,原点除外,図示指示を確認した。公式解答・採点講評は公表されていない。

【独立検算】 xy 平面上の格子点を細分して,元の内積から計算した2角の条件と,yx,3x2+(y1)23 の真偽を比較し,原点を除く全標本で一致した。境界 y=±x と楕円の上側交点が (±1,1) であることも図と式で確認した。

冊子PDFで見る東大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 東京大学 令和6年度前期日程 第2次学力試験 理科数学(公式問題PDF)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。