方針
重心条件から とし、 を使って中点 の軌跡を求める。次に点 が中点 の弦上にある条件 と、 を連立する。固定した に対する直線がこの円と交わる距離条件を求め、弦上であるための円板条件と退化点の除外を加える。最後に境界の交点を計算し、軌跡と通過範囲を実際の図にする。
解答
(1) は 平面上にあるので,その中点 も 平面上にある。そこで とおく。重心が であるから,位置ベクトルで である。したがって であり, である。
点 は原点中心,半径5の球面上にあるので を満たす。これを整理すると すなわち である。
逆に, がこの円上にあり,かつ ならば, 平面上の円 に, を中点とする弦 が存在する。円 上では,原点から最も遠い点は であり,この点だけが を満たす。この場合は弦が退化して となるため,条件に合わない。
したがって の軌跡は である。図示すると, 平面上で中心 ,半径2の円から点 を除いたものになる。
(2)
線分 が通過する 平面上の点を とする。中点を と書く。 は原点中心,半径5の円 上にあり, はその弦 の中点である。円の中心と弦の中点を結ぶ直線は弦に垂直であるから,点 が弦 上にあるとき である。すなわち である。
一方,(1)より は を満たす。この式を展開すると である。したがって すなわち を得る。
いま を固定して考える。上の式は 平面の直線であり,これが円 と交わることが,その点 を通る弦が存在するための条件である。円の中心 から直線 までの距離はである。したがって交わる条件は である。両辺を2乗して整理すると すなわち となる。
さらに,線分 は円 の内部および周上にあるので,通過範囲は も満たす必要がある。
逆に,この2条件を満たす点 では,距離条件により円 上に適当な中点 を選べる。式 より はその弦の支持直線上にあり,さらに は円板内にあるから,実際に弦である線分 上にある。ただし,許される交点が除外された だけになるのは, の直線が円に で接する場合である。円の接線は なので, と比較すると に限られる。このときは となるため除く。
したがって求める範囲はで表される領域から点 を除いたものである。
境界の円と双曲線は およびで交わる。したがって図示は次のようになる。灰色部分が通過範囲であり、 は含まない。
総評
難度7/10、計算量6/10。想定時間は22分。重心条件を として中点 だけの条件にし、(2)では「弦の中点と弦は直交する」を内積式へ翻訳するのが主方針である。採点上は、求めた方程式が必要条件にとどまらないよう逆向きの実現可能性も示し、線分上の条件 と退化点 の除外を明記する必要がある。図では中心 、半径2の円、円板と双曲線境界の位置関係、白丸の除外点を式と対応させる。典型的な失点は弦を直線として扱ったまま円板条件を忘れることと、距離条件を2乗した後の整理ミスである。別解として中点を偏角表示して線分族の包絡を追う方法もあるが、文字消去の本解が簡潔である。図示だけを感覚で描かず、境界の交点 まで計算してから仕上げると安全である。