方針
絶対値を で分け、 と に分解する。微分時には端点項が消える。各 に対し , とおいて二つの定積分を三角置換で評価すると、 が得られる。(1)では を代入して を求め、(2)は倍角公式から を計算する。(3)は 自体を積分計算し、停留点と端点の値を比較する。最大値の端点比較では、 と与えられた を使って を確認する。
解答
(1)
に対し,絶対値をで分けると である。これをで微分する。端点での被積分関数はどちらも0になるので,端点からの項は消え, である。各 に対し、 かつを満たす角 を定める。それぞれ と置けばしたがって(1)の では だから である。よってこれが0となるのはのときである。
(2)
とおく。よりである。倍角公式から である。したがって すなわち である。より である。よって である。
(3)
まずを計算しておく。分割した式からである。
(1) より である。 で正接は狭義単調に増加するため、 も とともに増加する。よって となるのは のときだけである。したがってはする。よって最小値はでとる。
このときなので, である。ここで だからである。したがって最小値は である。
最大値は端点で比較すればよい。式にを代入すると である。よって である。よりであり,問題文のから である。したがってであり,最大値は である。
増減と端点比較は次のグラフにまとめられる。
唯一の停留点が最小点であり,最大値については両端の値を比較する必要がある。
総評
絶対値を含むパラメータ積分を微分し、増減と端点比較から最大・最小を求める問題。難度5、計算量6、想定時間22分。積分を で分割すると端点項が0になる。各 に対して , とおいて三角置換すれば、 が得られる。停留点は最小点であり、最大値は の双方を比較して決める。
【出典確認】 東京大学公式「令和6年度前期日程第2次学力試験・理科数学」PDF第6ページを原寸画像で照合し、積分区間、、の範囲、使用可能な を確認した。公式解答・採点講評は公表されていない。
【独立検算】 高精度数値積分で複数の に対する元の積分と閉形式を比較し、 で最小、 で最大となることを確認した。閉形式を数値微分した値も、 としたときの と一致した。