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東京大学 2024年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

次の関数f(x)を考える。f(x)=01tx1+t2dt(0x1)(1) 0<α<π4を満たす実数αで,
f(tanα)=0となるものを求めよ。

(2) (1)で求めたαに対し,tanαの値を求めよ。

(3) 関数f(x)の区間0x1における最大値と最小値を求めよ。必要ならば,
0.69<log2<0.7であることを用いてよい。

難易度5/ 10計算量6/ 10目安22

積分微分三角関数指数・対数 絶対値の処理、微分による最大最小置換定積分評価

方針

絶対値を t=x で分け、0txxt1 に分解する。微分時には端点項が消える。各 x に対し 0βπ/4x=tanβ とおいて二つの定積分を三角置換で評価すると、f(x)=2βπ/4 が得られる。(1)では x=tanα を代入して α=π/8 を求め、(2)は倍角公式から tan(π/8) を計算する。(3)は f(x) 自体を積分計算し、停留点と端点の値を比較する。最大値の端点比較では、π>3 と与えられた log2<0.7 を使って f(1)>f(0) を確認する。

解答

(1)
0x1に対し,絶対値をt=xで分けると f(x)=0xxt1+t2dt+x1tx1+t2dt である。これをxで微分する。端点t=xでの被積分関数はどちらも0になるので,端点からの項は消え,f(x)=0x11+t2dtx111+t2dt である。各 x に対し、0βπ/4 かつx=tanβを満たす角 β を定める。それぞれ t=tanθ と置けば0xdt1+t2=0βdθ=β,x1dt1+t2=βπ/4dθ=π4β.したがってf(x)=2βπ4.(1)の x=tanα では 0<α<π/4 だから β=α である。よってf(tanα)=2απ4,これが0となるのはα=π8のときである。

(2)
u=tanπ8とおく。0<π8<π4よりu>0である。倍角公式から tanπ4=2u1u2=1 である。したがって 1u2=2u すなわち u2+2u1=0 である。u>0より u=1+2 である。よって tanα=21 である。

(3)
まずf(x)を計算しておく。分割した式からf(x)=x0xdt1+t20xt1+t2dt+x1t1+t2dtxx1dt1+t2=xβ12log(1+x2)+12{log2log(1+x2)}x(π4β)=x(2βπ4)+12log2log(1+x2)である。

(1) より f(x)=2βπ4 である。0βπ/4 で正接は狭義単調に増加するため、βx とともに増加する。よって f(x)=0 となるのは x=tanπ8=21 のときだけである。したがってf(x)0x<21で減少,21<x1で増加する。よって最小値はx=21でとる。

このとき2βπ4=0なので,f(21)=12log2log{1+(21)2} である。ここで 1+(21)2=422 だからf(21)=log2log(422)=log2422=log1+22である。したがって最小値は log1+22 である。

最大値は端点で比較すればよい。式にx=0,1を代入すると f(0)=12log2,f(1)=π412log2 である。よって f(1)f(0)=π4log2 である。π>3よりπ4>0.75であり,問題文のlog2<0.7から π4log2>0.750.7>0 である。したがってf(1)>f(0)であり,最大値は π412log2 である。

増減と端点比較は次のグラフにまとめられる。

唯一の停留点が最小点であり,最大値については両端の値を比較する必要がある。

総評

絶対値を含むパラメータ積分を微分し、増減と端点比較から最大・最小を求める問題。難度5、計算量6、想定時間22分。積分を t=x で分割すると端点項が0になる。各 x に対して x=tanβ0βπ/4 とおいて三角置換すれば、f(x)=2βπ/4 が得られる。停留点は最小点であり、最大値は x=0,1 の双方を比較して決める。

【出典確認】 東京大学公式「令和6年度前期日程第2次学力試験・理科数学」PDF第6ページを原寸画像で照合し、積分区間、0x1αの範囲、使用可能な 0.69<log2<0.7 を確認した。公式解答・採点講評は公表されていない。

【独立検算】 高精度数値積分で複数の x に対する元の積分と閉形式を比較し、x=21 で最小、x=1 で最大となることを確認した。閉形式を数値微分した値も、x=tanβ としたときの 2βπ/4 と一致した。

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出典: 東京大学 令和6年度前期日程 第2次学力試験 理科数学(公式問題PDF)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。