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東京大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

白玉2個が横に並んでいる。投げたとき表と裏のでる確率がそれぞれ12のコインを
用いて,次の手順(*)をくり返し,白玉または黒玉を横一列に並べていく。

手順(*):コインを投げ,表がでたら白玉,裏がでたら黒玉を,
それまでに並べられている一番右にある玉の右隣におく。
そして,新しくおいた玉の色がその1つ左の玉の色と異なり,
かつ2つ左の玉の色と一致するときには,
新しくおいた玉の1つ左の玉を新しくおいた玉と同じ色の玉にとりかえる。

例えば,手順(*)を2回行いコインが裏,表の順にでた場合には,白玉が4つ並ぶ。
正の整数nに対して,手順(*)をn回行った時点での(n+2)個の玉の並び方を考える。

(1) n=3のとき,右から2番目の玉が白玉である確率を求めよ。

(2) nを正の整数とする。右から2番目の玉が白玉である確率を求めよ。

(3) nを正の整数とする。右から1番目と2番目の玉がともに白玉である確率を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

確率数列 状態分類確率漸化式対称性の利用、計算整理

方針

操作後の全体の並びではなく,次の操作に影響する右端2個の色だけを状態にする。状態を WW,WB,BW,BB に分け,表・裏が出たときの推移表を作る。(1)は推移を3回たどる。(2)(3)は各状態の確率を an,bn,cn,dn とおき,an+dnandn に分けて漸化式を解く。右から2番目が白である確率は an+bn,右端2個がともに白である確率は an である。

解答

右端から2個の玉の色だけに注目する。白を W,黒を B と書き,右から2個の状態を WW,WB,BW,BB で表す。新しく置いた玉によって変化する可能性があるのは,その1つ左の玉だけであるから,次の状態は現在の右端2個だけで決まる。

各状態からの推移は次の通りである。現在の状態表が出る裏が出るWWWWWBWBWWBBBWWWBBBBBWBBたとえば WB の状態で表が出ると,並びの末尾が WBW となり,新しく置いた白玉は1つ左の黒玉と異なり,2つ左の白玉と一致する。そのため中央の黒玉が白玉に変わり,右端2個は WW になる。

(1)
初期状態は WW である。推移表を3回用いる。1回後は WW:12,WB:12 である。2回後はWW:12,WB:14,BB:14である。さらに3回後はWW:38,WB:14,BW:18,BB:14となる。

右から2番目の玉が白であるのは,状態が WW または WB のときである。したがって求める確率は 38+14=58 である。

(2) n 回後に状態 WW,WB,BW,BB である確率をそれぞれ an,bn,cn,dn とおく。初期状態は白玉2個なので a0=1,b0=c0=d0=0 である。推移表からan+1=an+bn+cn2,bn+1=an2,cn+1=dn2,dn+1=bn+cn+dn2が成り立つ。

ここで un=an+dn,vn=andn とおく。全確率は1なので an+bn+cn+dn=1 である。したがってun+1=an+1+dn+1=an+dn+2bn+2cn2=un+2(1un)2=1un2である。また vn+1=an+1dn+1=andn2=vn2 である。初期値は u0=1,v0=1 である。

まず un+1=1un/2 を解く。この漸化式の一定値を u とすると u=1u2 より u=2/3 である。よって un+123=12(un23) となり,un=23+13(12)n である。また vn=(12)n である。したがってan=un+vn2=13+16(12)n+12n+1を得る。

右から2番目が白である確率は an+bn である。n1 では bn=an1/2 だからan+bn=an+an12={13+16(12)n+12n+1}+12{13+16(12)n1+12n}=12+12nである。よって求める確率は 12+12n である。

(3)
右から1番目と2番目がともに白であるのは,状態が WW のときである。したがって求める確率は an であり,(2)で求めた式から 13+16(12)n+12n+1 である。

総評

難度5,計算量5。想定時間は15分から20分程度。全体の列を追うと複雑に見えるが,次の操作に必要なのは右端2個の色だけである。この状態化に気づけば,小問(1)は推移表の確認,小問(2)(3)は4状態の漸化式に落ちる。計算上の山は an+dnandn に分けるところで,ここを見逃すと連立漸化式が重くなる。答案では,状態 WB から表で WW になる理由など,色の置き換え規則が推移表に反映されていることを一言示すと説得力が出る。

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出典: 東京大学 2025年度 第2次学力試験 数学(文系)公式問題(大学公式の問題PDF(8ページ))。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。