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東京大学 2024年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

座標平面上を次の規則(i),(ii)に従って1秒ごとに動く点Pを考える。

(i) 最初に,Pは点(2,1)にいる。

(ii) ある時刻でPが点(a,b)にいるとき,その1秒後にはPは
確率13x軸に関して(a,b)と対称な点,
確率13y軸に関して(a,b)と対称な点,
確率16で直線y=xに関して(a,b)と対称な点,
確率16で直線y=xに関して(a,b)と対称な点にいる。

以下の問いに答えよ。ただし,(1)については,結論のみを書けばよい。

(1) Pがとりうる点の座標をすべて求めよ。

(2) nを正の整数とする。最初からn秒後にPが点(2,1)にいる確率と,
最初からn秒後にPが点(2,1)にいる確率は等しいことを示せ。

(3) nを正の整数とする。最初からn秒後にPが点(2,1)にいる確率を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

確率数列ベクトル 状態分類確率漸化式対称性の利用、計算整理

方針

反射で入れ替わるのは座標の符号と順序だけなので,到達可能点は(±2,±1)(±1,±2)の8点に限られる。初期点から偶数秒後にいる4点と奇数秒後にいる4点は分かれるため,奇数秒後に(2,1)へ戻る確率は0である。偶数秒後については,A=(2,1),A=(2,1)の組とB=(1,2),B=(1,2)の組にまとめ,2秒ごとの遷移表を作る。各組の2点の確率が等しく保たれることを示し,xkykの漸化式から一般項を求める。

解答

(1)
反射によって,座標の絶対値は12のままであり,符号と順序だけが変わる。したがってPがとりうる点は (2,1),(2,1),(2,1),(2,1),(1,2),(1,2),(1,2),(1,2) である。

(2)
まず,初期点(2,1)から1秒後に到達する点は (2,1),(2,1),(1,2),(1,2) の4点である。これらからさらに1秒動くと (2,1),(2,1),(1,2),(1,2) の4点に戻る。したがって,奇数秒後には(2,1)にも(2,1)にもいないので,その場合は2つの確率はいずれも0で等しい。

偶数秒後を考える。次の4点を A=(2,1),A=(2,1),B=(1,2),B=(1,2) とおく。2秒後の遷移を調べると,AまたはAからは A,Aへそれぞれ 518,B,Bへそれぞれ 29 の確率で移る。また,BまたはBからは A,Aへそれぞれ 29,B,Bへそれぞれ 518 の確率で移る。したがって,2秒ごとの遷移では,AAへ移る確率は常に同じである。

初期から2秒後も,実際に P(A)=P(A)=518 である。よって帰納的に,すべての正の整数nについて,n秒後に(2,1)にいる確率と(2,1)にいる確率は等しい。

(3)
奇数秒後には(2,1)にいないので,nが奇数のとき求める確率は 0 である。

n=2kとする。2k秒後に,AAの各点にいる確率をxkBBの各点にいる確率をykとおく。(2)の2秒遷移表から,k1に対して xk+1=59xk+49yk,yk+1=49xk+59yk である。実際,例えばAへ来る確率は,A,Aからそれぞれ518B,Bからそれぞれ29であるため518xk+518xk+29yk+29yk=59xk+49ykとなる。

初期から2秒後には x1=518,y1=29 である。上の漸化式を引き算すると xk+1yk+1=19(xkyk) であり,x1y1=51829=118 だから xkyk=118(19)k1 である。

また,2k秒後にはA,A,B,Bのいずれかにいるので 2xk+2yk=1 すなわち xk+yk=12 である。したがってxk=12{(xk+yk)+(xkyk)}=14+136(19)k1=14+149kである。

求める確率はA=(2,1)にいる確率なので,{0(nが奇数),14+149n/2(nが偶数)である。

偶数秒だけを取り出した2秒遷移は,2点ずつをまとめると次の状態図になる。

この図から,和 xk+yk は保存され,差 xkyk は2秒ごとに 1/9 倍になることが同時に読み取れる。

総評

4種類の鏡映による確率過程を,対称性と2秒遷移へ圧縮する問題。難度6,計算量6,想定時間25分。奇数秒と偶数秒で到達集合が分かれ,偶数秒では A,AB,B の確率がそれぞれ等しい。和は 1/2,差は2秒ごとに 1/9 倍という2本の式にすれば一般項が短く求まる。

【出典確認】 東京大学公式「令和6年度前期日程第2次学力試験・理科数学」PDF第8ページを原寸画像で照合し,4つの鏡映と確率,初期点,3小問を確認した。公式解答・採点講評は公表されていない。

【独立検算】 8点を状態とする遷移行列を有理数で構成し,n=1 から12まで厳密計算した。各 n(2,1)(2,1) の確率が一致し,(2,1) の確率が奇数時0,偶数時 1/4+1/(49n/2) と一致した。

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出典: 東京大学 令和6年度前期日程 第2次学力試験 理科数学(公式問題PDF)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。