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東京大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

(1) 1θ1 における関数f(θ)=sinθθ+θ36の最大値 M と最小値 m を求めよ。

(2) (1) で求めた最大値 M に対して,次の不等式を示せ。7π802πsin(cosxx)dx7π8+4M.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安20

微分積分三角関数 微分による最大最小定積分評価不等式評価、微積分の対称性

方針

(1) は導関数と奇関数性を使って [1,1] での最大・最小を求める。0θ1 では f(θ)=θsinθ0 から f が増加し,f の単調性が分かる。(2)は加法定理で sin(cosxx) を分解し,sint=tt3/6+f(t)t=cosx に代入する。残る誤差項は tf(t)0f(t)M で上下から評価する。

解答

(1)
関数 f(θ)=sinθθ+θ36 を考える。導関数は f(θ)=cosθ1+θ22 であり,さらに f(θ)=sinθ+θ である。 0θ1 では sinθθ だから f(θ)=θsinθ0 である。したがって f(θ)[0,1] で単調増加する。また f(0)=11+0=0 であるから,0θ1f(θ)0 である。よって f[0,1] で単調増加する。

さらに sinθθθ3/6 はいずれも奇関数なので,f も奇関数である。したがって [1,1] における最大値は θ=1 で,最小値は θ=1 でとる。ゆえに M=f(1)=sin11+16=sin156 であり,m=f(1)=f(1)=sin1+56 である。したがって M=sin156,m=sin1+56 である。

(2)
以後,t1t1 を動くとする。(1)より,f は奇関数で,[0,1] では f(t)0[1,0] では f(t)0 である。したがって tf(t)0 である。また最大値と最小値が M,M なので f(t)M も成り立つ。

加法定理より sin(cosxx)=sin(cosx)cosxcos(cosx)sinx である。ここで ddxsin(cosx)=cos(cosx)sinx だから02πcos(cosx)sinxdx=[sin(cosx)]02π=0である。よって I=02πsin(cosxx)dx=02πsin(cosx)cosxdx とおける。 f(t)=sintt+t3/6 だから sint=tt36+f(t) である。ここに t=cosx を代入すると sin(cosx)cosx=cos2xcos4x6+f(cosx)cosx である。したがってI=02π(cos2xcos4x6)dx+02πf(cosx)cosxdxである。

第2項について,t=cosx と見れば tf(t)0 より f(cosx)cosx0 である。また f(cosx)cosxf(cosx)cosxMcosx である。ゆえに002πf(cosx)cosxdxM02πcosxdx=4Mである。

一方,標準的な積分値として 02πcos2xdx=π であり,cos4x=(1+cos2x2)2=38+12cos2x+18cos4xより 02πcos4xdx=3π4 である。したがって02π(cos2xcos4x6)dx=π163π4=7π8である。

以上より7π802πsin(cosxx)dx7π8+4Mが成り立つ。

総評

難度7/10、計算量6/10。想定時間は20分。(1)で得たテイラー展開の剰余に相当する関数 f の符号と最大値を、(2)の積分誤差の上下評価へそのまま使う誘導問題である。採点上は f(t)=tsint0 から [0,1] での単調性を導き、奇関数性と合わせて tf(t)0f(t)M を明示することが核になる。加法定理で現れる一方の積分が原始関数の端点差で0になること、02πcosxdx=4 まで書けば評価は閉じる。典型的な失点は f(t) 自体を常に非負と誤認することと、誤差項の上界で cosx を落とすことである。別解としてより高次の展開を使う必要はなく、本問の誘導に沿う解法が高校範囲で最短である。前半が崩れると後半も連鎖するため、(1)の符号確認を急がないことが重要である。

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出典: 東京大学 2026年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。