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横浜国立大学 2020年度 前期理系数学 第5問

a を正の実数とする。n=1,2,3, に対してIn=01xn+a1exdxと定める。

(1) n=1,2,3, に対してIn1n+aを示せ。

(2) n=1,2,3, に対してIn+1(n+a)Inを求めよ。

(3) 極限値limnnInを求めよ。

(4) 実数 b,c に対してJn=n3(In+bn+cn2)(n=1,2,3,)と定める。数列 {Jn} が収束するとき、次の問いに答えよ。

(ア) b を求めよ。

(イ) ca の式で表せ。

(ウ) 極限値limnJna の式で表せ。

難易度8/ 10計算量8/ 10目安32

積分数列 部分積分、定積分評価漸化式の変形極限計算

方針

(1) で基本評価、(2)で漸化式を作り、(3)は積分が x=1 付近へ集中することをはさみうちで示す。(4)では漸化式を3回反復し、1/n,1/n2,1/n3 の係数を順に取り出す。

解答

(1)

0x1 では0<ex1.したがってIn=01xn+a1exdx01xn+a1dx=1n+a.(2)ddx(xn+aex)=(n+a)xn+a1exxn+aex.両辺を0から1まで積分すると1e=(n+a)InIn+1.よってIn+1(n+a)In=1e.(3)

まずe1ex1(0x1)より1e(n+a)In1n+a.上限を精密にするため、0<ε<1 として積分区間を分ける。In=01εxn+a1exdx+1ε1xn+a1exdx01εxn+a1dx+e1+ε1ε1xn+a1dx.両辺を n 倍して n とすると、最初の積分は0へ収束しlim supnnIne1+ε.一方、下の評価からlim infnnIn1e.ε は任意だからlimnnIn=1e.(4)

E=1/eN=n+a とおく。(2)を変形するとIn=EN+In+1N.これを3段階まで反復してIn=EN+EN(N+1)+EN(N+1)(N+2)+In+3N(N+1)(N+2)を得る。(1)から0In+31n+a+3なので、最後の項は n3 倍しても0へ収束する。

まず (3) より nInE だから、Jn が収束するにはb=E=1eが必要である。

次に上の表示からlimnn2(InEn)=(1a)E.したがって二次の発散も消すにはc=(a1)E=a1eが必要である。

この b,c に対してJn=n3(InEn+(a1)En2).3項の表示を使うとlimnn3(1N1n+an2)=a2,limnn3(1N(N+1)1n2)=(2a+1),limnn3N(N+1)(N+2)=1.よってlimnJn=E{a2(2a+1)+1}=a(a2)e.以上よりb=1e,c=a1e,limnJn=a(a2)e.

別解

解法2(漸化式から補正項を段階的に決める)

方針

(1) 〜(3)で得た評価と漸化式を使い、まず In1/n 項、次に 1/n2 項を極限として決める。その情報を漸化式へもう一度代入し、1/n3 項を得る。

解答

(1)

ex1 よりIn01xn+a1dx=1n+a.(2)

部分積分するとIn+1=01xn+aexdx=1e+(n+a)In.よってIn+1(n+a)In=1e.(3)

解法1のはさみうちによりlimnnIn=1e.(4)E=1eとおく。漸化式をIn=E+In+1n+aと書く。

まずn2(InEn)=n{nIn+1aE}n+a.ここでnIn+1=nn+1{(n+1)In+1}Eだからlimnn2(InEn)=(1a)E.この極限との差をRn=n2(InEn)(1a)Eとおけば Rn0 であり、In+1=En+1+(1a)E(n+1)2+Rn+1(n+1)2と正確に書ける。これを漸化式へ代入するとIn=En+a+E(n+a)(n+1)+(1a)E(n+a)(n+1)2+Rn+1(n+a)(n+1)2.Jn が収束するには、まず nInE よりb=E=1eが必要である。さらに先ほどの極限よりc=(1a)E=a1eが必要である。

この b,c を代入する。上の正確な表示に対してlimnn3(1n+a1n+an2)=a2,limnn3(1(n+a)(n+1)1n2)=(a+1),limnn3(n+a)(n+1)2=1である。また Rn+10 だから、剰余項を n3 倍したものも0へ収束する。したがってlimnJn=E{a2(a+1)+(1a)}=a(a2)E=a(a2)e.

総評

難度8、目安時間32分。(1)(2)は後半のための評価と漸化式である。(3)では積分への寄与が x=1 近くへ集中することを、固定した ε で区間分割して示す。(4)は 1/n,1/n2,1/n3 の係数を順に消す問題で、反復部分積分による厳密な剰余評価と、漸化式による段階的な係数決定を相互検算できる。

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出典: 横浜国立大学 2020年度 前期日程 理系数学 第5問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。