方針
a=OA,b=OB,c=OC とおく。重心 H の位置ベクトルが
a+b+c と平行であることから係数を比較する。
正四面体では3本の基底ベクトルの長さが1、相互の内積が 1/2 なので、
各辺と内積を計算し、Gramの式から面積を求める。
解答
(1) a=OA,b=OB,c=OCとおく。各点の位置ベクトルはOP=sa,OQ=tb,OR=(1−u)b+uc.またOG=3a+b+c,OH=3sa+(t+1−u)b+uc.O,G,H が同一直線上にあり、a,b,c は一次独立だからs=t+1−u=u.よってs=u=2t+1.各点は辺を内分するので 0<t<1 である。したがって21<s<1.(2)
正四面体の1辺が1なので∣a∣=∣b∣=∣c∣=1,a⋅b=b⋅c=c⋅a=21.s=u=(t+1)/2 を代入して計算すると∣QP∣2=∣sa−tb∣2=43t2+1,QR=21−3tb+2t+1cより∣QR∣2=47t2−6t+3.さらにOP⋅QR=41−t2.(3)
同じ内積表を使うとQP⋅QR=44t2−3t+1.したがってS2=41(∣QP∣2∣QR∣2−(QP⋅QR)2)=645t4+6t3−t2+2.よってS=815t4+6t3−t2+2.根号内を F(t) とおくとF′(t)=20t3+18t2−2t=2t(10t−1)(t+1).0<t<1 で F は 0<t<1/10 で減少し、
1/10<t<1 で増加する。したがってS が最小となるのは t=101.
別解
解法2(三辺を求め、Heron型の恒等式を使う方法)
方針
重心条件は基底 a,b,c の係数比較で処理する。
(2)の指定量に加え、三角形 PQR の第3辺 PR も計算する。
面積は2辺の内積ではなく、3辺の長さだけを使う
16S2=2(XY+YZ+ZX)−X2−Y2−Z2 に代入して求める。
解答
(1) 3OH=sa+(t+1−u)b+ucが a+b+c と平行である。
a,b,c は一次独立だから3係数は等しく、s=t+1−u=u.よってs=u=2t+1,21<s<1.(2)∣a∣2=∣b∣2=∣c∣2=1,a⋅b=b⋅c=c⋅a=21を展開に用いる。すると∣QP∣2=43t2+1,∣QR∣2=47t2−6t+3,OP⋅QR=41−t2.(3)
さらにPR=−sa+(1−s)b+scだから∣PR∣2=s2+(1−s)2=2t2+1.X=PQ2, Y=QR2, Z=RP2 とおくと、三辺と面積の恒等式16S2=2(XY+YZ+ZX)−X2−Y2−Z2より16S2=45t4+6t3−t2+2.したがってS=815t4+6t3−t2+2.根号内の微分は2t(10t−1)(t+1)であるから、0<t<1 での唯一の極小点はt=101である。
総評
難度6、計算量7、目安28分。重心条件を
a,b,c の係数が等しいことへ直すのが最初の山場である。
「辺を内分する」ため 0<t<1 であり、s の範囲は端点を含まない
1/2<s<1 となる点に注意する。(2)以降は相互内積 1/2 を最初に表へ固定し、
面積は S でなく S2 を整理する。最後は根号内だけを微分すればよい。
冊子PDFで見る横国のベクトルの問題で問題集を作る
出典: 横浜国立大学 令和4年度一般選抜前期 数学 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。