方針
w から z を解き、∣z∣≧r を
∣w−3∣≧r∣w−2∣ に移す。実部・虚部を置いて平方完成すれば
Dr は円板になる。ただし w=2 は有限な z から得られないので除く。
実軸上の区間端点を簡単な形に直し、含まれる整数を判定する。
解答
(1) w=z−12z−3を z について解くとz=w−2w−3.ただし w=2 は元の式で実現しない。したがって∣z∣≧r⟺∣w−3∣≧r∣w−2∣.w=x+yi とおいて平方完成すると(x−r2−12r2−3)2+y2≦(r2−1r)2.r=3/2 では中心と半径がともに 6/5 である。よって
D3/2 は次の円板から点 2 を除いた集合である。
(2)
円板と実軸の共通部分は2−r−11≦x≦2+r+11から点 2 を除いたものである。
r>1 では右端は 2 より大きく 5/2 より小さいため、
2 より大きい整数は入らず、整数 2 自身は除外される。
Nr=3 となるには、含まれる整数がちょうど
−1,0,1 となればよい。したがって−2<2−r−11≦−1.r−1>0 に注意して解くと41<r−1≦31.よって45<r≦34.
別解
解法2(Apolloniusの円と実軸上の交点を使う方法)
方針
逆変換から得る ∣w−3∣:∣w−2∣≧r:1 を、
実軸上の2点 3,2 に対する距離比として読む。
境界はApolloniusの円であり、実軸との2交点を方程式
∣x−3∣=r∣x−2∣ から直接求める。中心・半径や整数個数を平方完成なしで決定する。
解答
(1)
w=2 を除き∣z∣≧r⟺∣w−3∣≧r∣w−2∣.r=3/2 の境界と実軸の交点は∣x−3∣=23∣x−2∣の解であり、x=0,x=512.境界円の中心は実軸上にあるので、中心は両交点の中点 6/5、
半径も 6/5 である。中心 w=6/5 は不等式を満たすため、
求める側は円の内部である。したがってD3/2={w:w−56≦56}∖{2}.(2)
一般の r>1 について実軸上の境界点はx−3=±r(x−2)からL=2−r−11,U=2+r+11.よってEr=[L,U]∖{2}.2<U<5/2 なので、Nr=3 のときの整数は
−1,0,1 に限られる。これらを含み −2 を含まない条件は−2<L≦−1.L=2−1/(r−1) を代入して41<r−1≦31,したがって45<r≦34.
総評
難度6、計算量5、目安22分。分数一次式を逆に解くと、
原点からの距離条件が w 平面上の2定点からの距離比へ変わる。
最大の落とし穴は w=2 で、逆変換の分母が0になるため円板内にあっても値域から除外される。
(2)では右端が 2<U<5/2 であることを先に押さえると、
数える整数は左端だけで決まる。端点 L=−1 は含み、L=−2 は4個になるので除くため、
最終範囲の左右の等号が異なる。
冊子PDFで見る横国の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 横浜国立大学 令和4年度一般選抜前期 数学 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。