方針
変換式をzについて解き、∣z∣=1/3をwの絶対値方程式へ移す。展開・平方完成で中心と半径を出し、中心円と固定半径から通過範囲を求める。
解答
(1)
変換式をzについて解くとz=1−αwα−wである。したがって∣z∣=1/3は9∣w−α∣2=∣1−αw∣2と同値である。両辺を展開すると(9−∣α∣2)∣w∣2−8(αw+αw)+9∣α∣2−1=0.∣α∣<1なので9−∣α∣2>0であり、平方完成してw−9−∣α∣28α=9−∣α∣23(1−∣α∣2)を得る。よってDはこの中心と半径をもつ円周である。
α=1/2では中心=3516,半径=359.(2)
∣α∣=1/2のとき、Dの中心は原点中心、半径16/35の円周上を動き、D自身の半径は常に9/35である。中心をMとすると、w∈Dであるための条件は∣M∣=3516,∣w−M∣=359.三角形の成立条件から3516−359≦∣w∣≦3516+359,すなわち51≦∣w∣≦75.逆にこの範囲の任意のwについて、辺長∣w∣,16/35,9/35の三角形が作れるので、条件を満たす中心Mが存在する。したがってEは境界を含む環状領域である。
別解
解法2:アポロニウスの円として捉える
方針
α=0では∣1−αw∣=∣α∣∣w−1/α∣を使い、Dを2定点からの距離比が一定のアポロニウスの円と見る。後半は三角不等式で円周の合併を決める。
解答
(1)
ρ=∣α∣とする。まずα=0の場合、∣w−α∣=31∣1−αw∣=3ρw−α1.これは2点α、1/αからの距離の比がρ:3である点の軌跡、すなわちアポロニウスの円である。距離比をq=ρ/3とすると、その中心は1−q2α−q2/α=9−ρ28α,半径は1−q2q∣α−1/α∣=9−ρ23(1−ρ2).α=0の場合も元の式からw=−zなので∣w∣=1/3となり、同じ公式に含まれる。
α=1/2では中心16/35、半径9/35の円周である。
(2)
∣α∣=1/2では中心Mが∣M∣=16/35を動き、各円周は∣w−M∣=9/35である。三角不等式と逆向きの三角不等式から∣∣M∣−∣w−M∣∣≦∣w∣≦∣M∣+∣w−M∣,よって51≦∣w∣≦75.また、この範囲では∣w∣,16/35,9/35が三角形の3辺となるので、wを固定したとき条件を満たすMを選べる。したがって通過範囲はE={w 51≦∣w∣≦75}である。
総評
難度7、計算量7。分数変換を逆に解いて絶対値方程式へ直すのが主眼である。平方完成ではαw+αwの係数を落とさないこと、通過範囲では円周の合併が境界を含む環状領域になることが重要である。代数解とアポロニウス円の解で中心・半径を照合し、図示も数値比に合わせた。
冊子PDFで見る横国の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 横浜国立大学 2024年度 前期 理系数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。