方針
正値性により被積分関数が連続であることを確認して両辺を微分する。2ff′の形を作ってf2を求め、f(0)=1と正値性で平方根の枝を決める。
解答
(2)
与式にx=0を代入するとf(0)=1である。fは連続かつ正であるから被積分関数も連続であり、微積分の基本定理によりf′(x)=(x2+1)f(x)xと微分できる。よって{f(x)2}′=2f(x)f′(x)=x2+12x.0からxまで積分してf(x)2−f(0)2=log(x2+1)を得る。したがってf(x)2=1+log(x2+1).右辺はすべての実数xで1以上であり、条件f(x)>0からf(x)=1+log(x2+1)である。
実際、この関数では∫0x(t2+1)1+log(t2+1)tdt=1+log(x2+1)−1となるため、元の積分方程式も満たす。
別解
解法2:積分で増えた量を未知関数にする
方針
右辺の積分そのものをF(x)とおくとf=F+1である。F′の式にf=F+1を代入し、(F+1)F′を直接積分する。
解答
(2) F(x)=∫0x(t2+1)f(t)tdtとおく。与式からf(x)=F(x)+1,F(0)=0である。正値性よりF(x)+1=f(x)>0であり、F′(x)=(x2+1)(F(x)+1)xとなる。したがって(F(x)+1)F′(x)=x2+1x.両辺を0からxまで積分すると[21(F(t)+1)2]t=0t=x=21log(x2+1),すなわち(F(x)+1)2=1+log(x2+1)である。F+1=f>0であるから、f(x)=F(x)+1=1+log(x2+1)となる。この方法では、積分方程式の右辺が作る累積量を先に未知関数としている。
総評
難度5、計算量4。積分方程式を初期値つき微分方程式へ移す問題である。連続性と正値性が、微分可能性、分母が0でないこと、平方根の正の枝の3点に使われる。候補を得ただけで終わらず、置換積分で元の方程式へ戻して確認すると解の存在まで明確になる。
冊子PDFで見る横国の積分の問題で問題集を作る
出典: 横浜国立大学 2024年度 前期 理系数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。